スターバックス北米で250店舗閉鎖へ 再成長へ店舗網を再編 既存店売上は回復傾向
米コーヒーチェーン大手のスターバックスが、
北米で約250店舗を閉鎖することを明らかにした。
9月24日、同社が米当局に提出した資料で判明したもので、2026年9月期末までに大部分の閉鎖を完了する計画。関連費用として約3億ドルを見込んでいる。
北米には約1万8000店舗があり、今回の閉鎖は全体の約1%に当たる。店舗網を一律に縮小するというより、業績や店舗運営などを踏まえて拠点を整理し、事業を立て直す取り組みの一環と位置付けられている。
▪️約250店舗を整理「量」から「店舗の質」へ
今回の閉鎖は、ブライアン・ニコルCEOが進める事業強化策「Back to Starbucks」の流れにある。
スターバックスはこれまで、北米で業績が振るわない店舗の整理を進めてきた。2025年9月期にも北米の店舗数は前年から減少しており、店舗網そのものを見直す動きが続いている。
一方で、単純な「店舗数の縮小」と見るだけでは、現在のスターバックスの動きを捉えきれない。
同社は店舗運営への投資を続けながら、待ち時間の短縮やメニューの簡素化などを進め、利用客にとっての店舗体験を改善する方向に舵を切っている。
つまり今回の閉鎖は、店舗数を増やすことだけを重視するのではなく、各店舗の役割や収益性を見直しながら、全体の競争力を高めようとする動きともいえる。
▪️北米の既存店売上は回復
興味深いのは、店舗閉鎖の発表と北米事業の回復傾向が同時に進んでいる点だ。
スターバックスの2026年第3四半期では、北米の既存店売上高が前年同期比8.1%増加。取引数も4.5%増、客単価も3.5%増となった。
米国だけを見ても、既存店売上高は7.9%増、取引数は4.2%増となっている。
この数字からは、「北米全体で客足が落ち込んでいるため、店舗を閉鎖する」という単純な構図ではないことが分かる。
むしろ、業績回復の兆しが表れるなかで、収益性や店舗運営の効率をさらに高めるため、不振店舗を整理する段階に入ったと見ることができる。
▪️新規出店のペースも見直し
スターバックスは2026年9月期の世界の直営・フランチャイズ店舗について、純新規出店数が約440店舗になる見通しを示している。
従来の600~650店舗という目標からは下方修正となる。
店舗を増やし続けるだけではなく、既存店舗の再編と新規出店のバランスを取りながら、成長を目指す姿勢が鮮明になっている。
2026年3月時点でスターバックスの北米店舗数は1万8385店だったが、同年6月末時点では1万8371店となっている。すでに店舗網の調整は進んでいる。
▪️「スタバ離れ」だけでは説明できない250店舗閉鎖
今回のニュースで注目したいのは、「250店舗閉鎖」という数字の大きさだけではない。
スターバックスは現在、店舗数を増やす成長モデルから、店舗そのものの価値を高める方向へ軸足を移している。
実際、北米では既存店売上高と取引数がともに伸びており、店舗を訪れる客の動きには回復が見られる。
その一方で、すべての店舗が同じように成果を上げているわけではない。
そこで不振店舗を整理し、サービスや店舗環境への投資を集中させる。今回の250店舗閉鎖は、こうした事業再編の一部として位置付けられる。

