IBF WBO 元世界2階級王者ゾラニ・テテさんが銃撃事件の犠牲に 11月に復帰戦を予定していた矢先の悲劇、世界に衝撃
ボクシング界に衝撃が走った。
元世界2階級制覇王者のゾラニ・テテさん(南アフリカ)が、
母国の南アフリカで銃撃事件に巻き込まれ、
命を落としたと海外メディアが報じた。
現地時間8月21日、米専門メディア『Boxing Scene』など複数の海外メディアが一斉に報道。世界王座を2度獲得した実力者の突然の訃報は、南アフリカ国内だけでなく、世界のボクシング関係者にも大きな衝撃を与えている。
報道によると、テテさんは東ケープ州ムダンサネにある自宅へ、ジムでのトレーニングを終えて帰宅。その際、武装した2人組に襲撃されたという。
テテさんは、行動を共にしていた女性を守りながら車で現場から逃れようとしたとされるが、銃撃を受けた。女性は負傷しながらも一命を取り留めた一方、テテさんは搬送先で帰らぬ人となった。
南アフリカ・東ケープ州警察の広報担当者によれば、現場では激しい銃撃があったとされている。
▪️世界 2階級を制した名王者
テテさんは、南アフリカを代表するトップボクサーの一人だった。
WBO世界バンタム級王座、IBF世界スーパーフライ級王座を獲得し、世界2階級制覇を達成。長いリーチを生かしたボクシングと高い技術力を武器に、世界のリングで存在感を示してきた。
日本のボクシングファンにとっても、決して無縁の存在ではない。
2018年には、井上尚弥選手(大橋)が優勝したワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)のバンタム級トーナメントに出場。準決勝でノニト・ドネア選手(フィリピン)との対戦が予定されていたが、肩の負傷によって無念の欠場となった。
もし実現していれば、井上選手とテテさんによる世界トップクラスの対決が実現していた可能性もあり、日本のファンからも大きな注目を集めた選手だった。
▪️復帰戦を控えていた矢先
さらに今回の悲劇を大きくしているのが、テテさんが再びリングに戻ろうとしていた矢先だったことだ。
テテさんは2022年にドーピング違反による4年間の出場停止処分を受けていたが、その処分期間は7月29日に終了。11月29日には母国で復帰戦を行う予定だったとされる。
長いブランクを経て、再びリングへ――。
そんな新たな一歩を踏み出そうとしていた時期に、突然の悲劇に見舞われた。
▪️海外メディアも相次いで報道
突然の訃報は海外でも大きく報じられた。
英紙『Mirror』は、テテさんについて「2度の世界チャンピオンに輝いた男が、実に恐ろしい状況で命を落とした」と報道。米紙『New York Post』も事件を速報し、元世界王者が巻き込まれた悲劇として伝えている。
東ケープ州警察は現在、殺人および殺人未遂事件として捜査を開始。現時点で容疑者は逃走しており、事件の詳しい動機についても明らかになっていないという。
南アフリカのスポーツ界からも、事件の早期解決を求める声が上がっている。
スポーツ大臣のゲイトン・マッケンジー氏は、テテさんを「偉大な世界チャンピオン」と称え、事件を目撃した人物や情報を持つ人物に対し、捜査への協力を呼びかけている。

