山本麻衣選手が世界最高の米国バスケWNBAで鮮烈16得点6アシスト ラスベガス・エーシズの「Big Three」不在で巡ってきた大舞台、世界に示した日本人ガードの実力
【©️Las Vegas Aces 】
日本女子バスケットボール界から、また一人、
世界最高峰の舞台で存在感を放つ選手が現れた。
ラスベガス・エーシズの山本麻衣選手が現地時間8月9日、
敵地ニューヨークのバークレイズ・センターで行われた
ニューヨーク・リバティ戦に途中出場。
25分44秒のプレータイムで
16得点、6アシスト、1リバウンド、1スティールを記録した。
試合そのものはエーシズが71-111で敗れたものの、この日、世界から注目を集めたのは若手選手たちの躍動だった。エーシズ公式サイトも試合後、山本選手について「16得点、6アシスト」と紹介。欠場した主力に代わって大きな出場時間を得たルーキーたちの中で、山本選手は特に目立つパフォーマンスを披露した。
▪️主力3人が休養で巡ってきた山本麻衣選手に大きなチャンス
この試合が特別だった理由は、エーシズのローテーションにあった。
チームはA’ja Wilson、Chelsea Gray、Jackie Youngという中心選手3人をベンチに置いた。エーシズ公式はこの3人を「Big Three」と表現している。さらに、前日のミネソタ・リンクス戦から24時間を切る厳しい日程でのアウェーゲームだったこともあり、チームは若手選手を積極的に起用する形を選択した。
そのなかで大きな出場機会をつかんだのが、山本選手だった。
WNBA公式によれば、この日のエーシズでは山本選手のほか、Ta’Niya Latson選手、Justine Pissott選手も大きなプレータイムを得た。Latson選手はチーム最多の20得点、Pissott選手も11得点を記録しており、若い選手たちが普段とは異なる役割を担った一戦となった。
山本選手は第1クォーター途中からコートへ入ると、持ち味のシュート力をいきなり発揮。深い位置からの3ポイントを沈め、WNBAのコートでも自らの武器を示した。
その後もドライブからのフィニッシュやステップバックなどを織り交ぜながら得点を重ね、第3クォーター終盤には再び3ポイントを成功。第4クォーターには味方の3ポイントをアシストするなど、単なるシューターにとどまらないプレーを見せた。
最終的に16得点6アシスト。
得点だけならチーム2位だったが、6アシストはチーム最多。シュートを打つだけではなく、周囲を生かす役割でも高い能力を発揮した。
▪️米国で評価された「日本代表・山本麻衣」の実力
山本選手がエーシズからシーズン終了までの契約を勝ち取った背景には、今回の活躍につながる“伏線”があった。
エーシズは7月17日、山本選手とのシーズン終了までの契約を正式発表。米国のYahoo Sportsも、山本選手がエーシズと日本代表のエキシビションゲームで24得点を記録し、3ポイントを7本成功させたことを契約の背景として紹介している。
その試合は4月26日、ラスベガスで行われた日本代表とエーシズのプレシーズンゲームだった。
日本代表の一員として出場した山本選手は、27分50秒の出場で24得点、3ポイント7本という圧巻の数字を残した。WNBA公式のスコアシートでも、この数字は確認できる。
つまり、山本選手にとって今回の16得点は偶然生まれた数字ではない。
すでにエーシズの選手たちは、シーズン開幕前から山本選手のシュート力を知っていた。日本代表戦で実際にその力を目の当たりにしたことが、今回の契約、そして出場機会へとつながっている。
米国メディアでも、山本選手は日本代表としての国際経験を持つガードとして紹介されている。WNBA公式プロフィールでは身長5フィート5インチ(約165センチ)のガードで、2026年にルーキーとしてWNBA入りしたことが記録されている。
▪️小さなガードが世界最高峰で武器にするスピードと3ポイント
山本選手の大きな特徴は、サイズではなく、シュートとスピード、そして判断力にある。
米国のバスケットボールファンの間でも、エーシズ加入時から山本選手への期待は高まっていた。WNBA関連の海外コミュニティでは、4月の日本代表戦での24得点、7本の3ポイント成功が改めて注目され、「シュート力」を評価する声も見られた。
WNBAは日本のWリーグとはフィジカル、サイズ、運動能力のすべてで異なる。
その環境で身長165センチの山本選手が生き残るためには、単純な得点力だけでは足りない。
だからこそ、この日の6アシストには大きな意味がある。
相手の守備を引きつけ、味方へパスを送り、スペースを作る。
自分がシュートを打つだけでなく、ボールを動かして攻撃全体を機能させることができれば、出場時間を増やすための武器になる。
今回の16得点6アシストは、その可能性を示す数字だった。
これまでWNBAでは、渡嘉敷来夢選手、町田瑠唯選手ら日本を代表する選手たちがプレーしてきた。渡嘉敷選手はWNBAで21得点を記録した実績を持ち、町田選手は9アシストを記録している。
山本選手は今回、16得点と6アシストを同時にマークしたことで、日本人選手がWNBAで残してきた歴史に新たな数字を加えた。
限られた出場機会を生かし、今回のような大きなチャンスが巡ってきた瞬間に結果を残した。
プロスポーツでは、この「準備していた選手がチャンスをつかむ」という瞬間が、
その後のキャリアを大きく変えることがある。
今回の試合で最も大きかったのは、山本選手が「WNBAでプレーできる選手」であることを数字で示したことだろう。
もちろん、主力選手が休養した一戦だったことは考慮する必要がある。
しかし、与えられた25分44秒を生かし、
16得点6アシストという結果を残したこと自体は揺るがない。
相手は2024年にWNBA優勝を果たしたニューヨーク・リバティ。
リバティはこの試合、Marine Johannesがキャリアハイとなる27得点を記録するなど、エーシズを圧倒した。試合結果は大差となったものの、山本選手にとっては自らの能力を世界の舞台でアピールする絶好の機会となった。


