RIZIN54=武田光司選手が摩嶋一整選手を「下から」の腕ひしぎ三角固めで撃破 グラップラー対決を制し「自分でもビックリ」

2026.8.11

 

 

格闘技イベント「RIZIN.54」が11日、東京・TOYOTA ARENA TOKYOで開催された。フェザー級で組まれた注目のグラップラー対決では、武田光司選手(TRIBE TOKYO MMA)が摩嶋一整選手(毛利道場)を1ラウンド4分58秒、腕ひしぎ三角固めで下し、鮮やかな一本勝ちを収めた。


 

試合前から注目を集めていたのが、両者の「組み」のスタイルだった。

柔道をバックボーンとする摩嶋選手は、インターハイ、国体への出場経験を持つグラップラー。2013年のプロデビュー以来、寝技を武器に数々の一本勝ちを積み重ねてきた。

一方の武田選手は、高校時代にレスリングでフリースタイル84キロ級三冠、グレコローマンスタイル84キロ級二冠を達成した実績を持つ。MMA転向後も強靭なフィジカルとテイクダウン能力を武器に戦い続けてきた。

いわば、柔道・柔術系の摩嶋選手とレスリング系の武田選手。似ているようで異なる「組み」の技術を持つ2人が、リングの中で真正面からぶつかった。

 

▪️摩嶋選手の崩しに耐え凌いだ武田選手

1ラウンド開始直後、武田選手はローキックを見せながら距離を探る。対する摩嶋選手はシングルレッグから組みつき、武田選手のバックを奪うと、コーナー際でテイクダウンを狙っていく。

摩嶋選手はボディロックから何度も武田選手の体勢を崩し、小内刈、小外などを織り交ぜながら攻め続けた。

しかし、武田選手は簡単には倒れない。

コーナーを巧みに利用しながら立ち上がり、摩嶋選手のクラッチを外そうとする。摩嶋選手がバックを奪ってリアネイキドチョークを狙う場面でも、武田選手は胸を合わせて脱出。互いの組み技が交錯する、まさにグラップラー同士の攻防となった。

そして、試合終盤に流れが一変する。

摩嶋選手の崩しに対して武田選手がアームロックで切り返すと、そのままテイクダウン。腕十字を狙いながら上体を起こしてきた摩嶋選手に対し、武田選手は素早く三角絞めへ移行した。

ここからが武田選手の見せ場だった。

左腕を抱え込む形で腕を伸ばし、摩嶋選手からタップを奪取。試合時間は1ラウンド4分58秒。終了間際の鮮やかな一本勝ちとなった。

 

▪️「まさか下から極めるとは」

試合後、武田選手は勝利を喜びながらも、摩嶋選手の組みの強さを率直に認めた。

「摩嶋選手ありがとうございました。あんな壁レスでバックとられて何回もテイクダウンされるなんて。僕もテイクダウンされない自信があったので、まだまだ足りないと思いました」

さらに、今回のフィニッシュについては、自身にとっても意外な展開だったことを明かした。

「僕はもっとストライキングをめちゃくちゃ練習してきたんですけれど、まさか下から極めるとは思ってなかったので自分でもビックリしています」

打撃を強化して臨んだ一戦で、最後に勝負を決めたのは自身の強みでもある組み技だった。

 

▪️仲間へのエール そして「年内もう一試合」

勝利の余韻が残る中、武田選手は仲間にもメッセージを送った。

「丈治、勝ったぞ、最高のバトンもらったから。ありがとう。最高」

さらに、セコンドについた萩原京平選手にも言及。

「同じ仲間としてセコンドに就いてくれた萩原くんもまだいけるでしょう。強くなれるよ、一緒にやろう」

そして最後には、早くも次戦への意欲を口にした。

「年内もう一試合お願いします」

武田選手は今回、フェザー級で摩嶋選手とのグラップラー対決を制した。

試合前には、柔道・柔術を軸とする摩嶋選手の寝技と、レスリングを土台とする武田選手のテイクダウン能力が注目された。しかし、実際に試合を決めたのは、その予想を少し裏切るような展開だった。

強烈な組みの攻防を耐え抜いた武田選手が、最後は自ら「まさか」と振り返る下からの腕ひしぎ三角固め。

一瞬の技術と判断が勝敗を分ける、MMAならではのフィニッシュで勝利をつかんだ。