「1回も触らせずにKOする」秋元強真選手がクレベル・コイケ戦に自信 青木真也と2カ月の寝技対策「引き込まれても大丈夫」
8月11日に東京・TOYOTA ARENA TOKYOで開催される『RIZIN.54』。そのメインイベントで、秋元強真選手(JAPAN TOP TEAM)が元RIZINフェザー級王者のクレベル・コイケ選手(ボンサイ柔術)と対戦する。
大会を2日後に控えた8月9日、試合前インタビューに臨んだ秋元選手は、落ち着いた表情を見せながら、決戦への自信を口にした。
「いつも通り本当に調子も良くて、もう早く当日になってほしい」
今回が自身3度目となるメインイベント。大舞台を任される責任を感じながらも、秋元選手は「しっかり締められるように、またしっかりKOして帰りたい」と、勝利への意欲を示した。
▪️クレベル選手を警戒しながらも「KOできる」
対戦相手のクレベル選手は、RIZINフェザー級のトップ戦線で長く活躍してきた実力者だ。
最大の武器は、柔術をベースとしたグラウンドでの攻防。相手を寝技に引き込み、そこから一本を狙うスタイルは、これまで多くの強豪を苦しめてきた。
秋元選手も、その実力を十分に認めている。
「寝技がすごく強くて、気持ちもすごく強い。本当に警戒しています」
一方で、自らの打撃には大きな自信を持つ。
「全く油断していないですけど、今の僕だったらKOできると思います」
相手を過小評価するのではなく、警戒すべきところは警戒する。そのうえで、自分の武器を信じる。
秋元選手が描く勝利への道筋は明快だった。
「クレベル選手は『触ることができる』って言っているんですけど、実際、僕と対面しないと分からない僕の圧というのがあると思う。そこをしっかり見せて、本当に1回も触らせず、寝技の展開を作らせずに、打撃でKOしたいです」
クレベル選手が得意とするグラウンドに持ち込ませない。
そのために必要なのが、距離とプレッシャー、そして秋元選手自身が持つスピードだ。
▪️「触らせない」ために過去の試合を徹底分析
7月30日に行われた公開練習でも、両者の特徴は鮮明だった。
秋元選手はスピード感のある打撃を披露。一方のクレベル選手は、バックを奪う動きや腕を狙うグラップリングを見せた。
打撃を得意とする秋元選手と、寝技を最大の武器とするクレベル選手。
まさに対照的なファイターだ。
しかし、秋元選手は「寝技にならなければ勝てる」と考えているわけではない。
クレベル選手の過去の試合を細かく分析し、どのようなタイミングで相手に組み付くのか、どの距離からグラウンドへ持ち込もうとするのかを研究してきた。
その中でも特に意識しているのが、「触らせない」ことだという。
「“触られない”というところは結構分析しています」
そして、
「僕の見る目が間違っていなかったら、本当に触られないと思います」
と自信をのぞかせた。
具体的な攻略法については、
「ネタばらしは試合後に言います」
と明かさなかった。
それだけ、今回の一戦に向けて入念な準備を積み重ねてきたということだろう。
▪️青木真也選手と2カ月 組まれても 引き込まれても対応する
今回の秋元選手の準備で、特に注目されるのが青木真也選手との練習だ。
クレベル選手と対戦する以上、どれだけ打撃で距離を支配しても、組み付かれる可能性はある。
そこで秋元選手は、グラップリングのスペシャリストである青木選手と約2カ月にわたって対策を続けてきた。
「最悪、組まれても大丈夫だし、むしろ引き込まれても、そこからの練習を2カ月間ぐらいずっとやってきた」
この言葉からも、秋元選手が今回の試合に向けて、さまざまな展開を想定してきたことが分かる。
組み付かれないことを目指しながら、組まれた場合にも対応する。
さらに、クレベル選手が自らグラウンドへ引き込んできた場合まで想定する。
試合のすべてを打撃だけで終わらせるのではなく、想定外の展開にも対応できるよう準備してきた。
試合直前にも青木選手と最後の練習を行い、
「聞きたかったことも全部聞きました」
と語った秋元選手。
約2カ月に及ぶ対策を終え、あとは本番を待つばかりとなった。
▪️「試合は怖い」強気な言葉の裏にある本音
ここまで秋元選手は、クレベル選手を相手にしても強気な言葉を続けている。
「1回も触らせずにKOする」
その言葉からは、揺るぎない自信が感じられる。
しかし、インタビューではファイターとしての本音も明かした。
「こういうところでは堂々としていますけど、やっぱり試合は怖い」
勝負の世界では、どれだけ準備をしても結果は保証されない。
勝てば称賛される一方、負ければ厳しい評価を受ける。
秋元選手自身も、
「負けたらまた散々言われるし、怖くなる日も試合前は結構あります」
と率直な心境を語った。
それでも、最後に口にしたのはシンプルな言葉だった。
「自分を信じるしかない」
恐怖を感じないから強いのではない。
恐怖を感じながらも、これまで積み重ねてきた練習を信じてケージに向かう。
その覚悟こそ、秋元選手が今回の大一番に持ち込む最大の武器なのかもしれない。
▪️5連勝中の秋元選手 クレベル選手との一戦へ
現在5連勝中の秋元選手にとって、今回のクレベル戦は大きな意味を持つ一戦となる。
一方、元王者のクレベル選手も、自らの得意とするグラップリングを生かして勝利を狙う。
秋元選手が宣言する「1回も触らせずにKO」が実現するのか。
それとも、クレベル選手が一瞬の隙を突いてグラウンドへ持ち込むのか。
試合の行方を左右するのは、わずかな距離の変化や、一瞬の判断になる可能性がある。
8月11日、『RIZIN.54』のメインイベント。
秋元強真選手が約2カ月にわたって積み重ねてきた寝技対策と、
得意の打撃をどこまで発揮できるか。
【文:高須基一朗】


