那須川龍心選手 ONEデビュー戦を圧巻TKOで飾る 170万円ボーナス獲得「命を懸ける舞台」の価値を証明
7月24日にタイ・ルンピニースタジアムで開催された『ONE Friday Fights 163』で、RISEスーパーフライ級王者 那須川龍心選手(TEAM TEPPEN)がONE初参戦を果たし、トンプーン・PK・センチャイ選手(タイ)を2ラウンド2分00秒、TKOで下した。激しい打ち合いを制した内容は、ONEデビュー戦として申し分のないインパクトを残した。
那須川選手はアマチュア時代から数々のタイトルを獲得し、2022年にプロデビュー。
挫折も経験しながら着実に実力を積み上げ、RISEでは2階級制覇を達成するなど、国内トップファイターとして存在感を高めてきた。今回は世界最高峰の立ち技団体・ONE Championshipのリングで、その実力を存分に証明する一戦となった。
試合は1ラウンドからトンプーン選手が強烈なプレッシャーをかけて前進。しかし、那須川選手は冷静なステップワークと正確な左フック、ボディー攻撃で迎え撃ち、相手の攻撃を見切りながら主導権を握る。2ラウンドに入ると真っ向からの打ち合いにも応じ、スピードとコンビネーションで上回る展開に。右ストレートを起点に左ヒザ、左右の連打で一気に畳み掛け、レフェリーストップを呼び込んだ。
世界へ向けた第一歩を鮮烈なTKO勝利で飾った那須川選手は、試合後のマイクで「こういう熱狂を生み出せるのはお客さんと団体の力。すごくいい団体だと思います」とONEの舞台を称賛。そのファイト内容が高く評価され、35万バーツ(日本円で約170万円)のパフォーマンスボーナスも授与された。
ボーナスを受け取った那須川選手は、
「ありがとうございます。最高にうれしいです。選手が命を張って頑張って立っている舞台で、こういうボーナスを出してくれるのは本当にうれしい。頑張る力になります」
と率直な思いを語った。
35万バーツ、日本円で約170万円。
20歳の若いアスリートが一夜にして手にする報奨金として見れば、破格の金額と言えるだろう。
しかし、その数字だけを切り取って「高額」と語るだけでは、この舞台の本当の価値は見えてこない。
格闘技は、一瞬の攻防が選手生命を左右し、時には競技人生そのものを変えてしまう世界だ。
日々の過酷な減量や厳しいトレーニングを積み重ね、リングでは互いに身体を削りながら勝利を目指す。華やかなスポットライトの裏側には、想像を超える努力とリスク、そして覚悟が存在している。
だからこそ、ONE Championshipが勝者へ贈るパフォーマンスボーナスには、単なる賞金以上の意味がある。それは「命を懸けて最高のパフォーマンスを披露した選手」への評価であり、世界最高峰の舞台だからこそ実現できる適切な報酬でもある。
那須川選手の勝利によって日本格闘技界の存在感はさらに高まり、
新たなスターが世界へ羽ばたく流れも一層加速していくことになる。
【文:高須基一朗】



