UFC世界王者への高い壁は変わらず・・・堀口恭司選手の再挑戦はなぜ止められたのか!?マネル・ケイプが示したUFCフライ級 新時代の能力値の高さ
8年半という時間は、一人の格闘家のキャリアを大きく変える。
6月21日(日本時間)、米ラスベガスで開催されたUFCファイトナイトのメインイベント。フライ級ランキング2位のマネル・ケイプ選手と同5位の堀口恭司選手による再戦は、かつてRIZINのリングで交錯した両者の因縁を超え、現在のUFCフライ級戦線の強豪ひしめく勢力図を映し出す一戦となった。
結果は3ラウンド2分42秒、ケイプ選手のTKO勝利。
堀口選手にとっては悔しい結末となったが、試合内容は決して一方的なものではなかった。
実際、序盤の主導権は堀口選手が握っていた。
巧みな距離管理とミドルキック、さらに組み技を織り交ぜた展開でケイプ選手を翻弄。2ラウンド終了時点のジャッジスコアでは2者が20―18で堀口選手を支持し、残る1者も19―19のイーブンとしていた。
しかし、世界最高峰の舞台では優勢な時間の長さよりも、
一瞬の決定力が勝敗を分ける。
迎えた3ラウンド。
ケイプ選手はそれまでのサウスポー構えからオーソドックスへとスイッチ。
長時間にわたり見せ続けたリズムを突然変化させると、
その直後に放った脇を閉めてコンパウトに最短距離で打ち込んだ右ストレートのが堀口選手を捉えた。
一撃で流れは一転した。
足元がぐらついところを見逃さずにケイプ選手は一気にラッシュを仕掛け、
背中を向けて膝をついているところをパンチの追随。
レフェリーが試合を止めるまで攻撃の手を緩めなかった。
試合が浮き彫りにしたのはUFCフライ級の進化でもある。
かつては技術やスピードが重視された階級だったが、近年はそこに爆発的なボクシングのスキルを融合したパンチ打撃戦での能力が求められるようになった。ケイプ選手はまさにその象徴的なストライカーの存在だ。ランキング上位陣の中でも突出した打撃の破壊力を持ち、一度流れをつかめば試合を終わらせる力を備えている。
試合後のインタビューでケイプ選手は「今の自分があるのは堀口選手と戦ったからだ」と語った。
2017年当時、堀口選手は日本格闘技界を代表するスター選手であり、ケイプ選手にとっては追いかける側の存在だった。その相手をUFCのメインイベントで倒したことは、ケイプ選手自身の成長を象徴する出来事でもある。
さらに注目を集めたのは、「日本に行きたいなら、俺というブラック・ジャパニーズを連れて行かなければならない」という挑発的なコメントだ。
これは単なるリップサービスではない。
UFCが将来的に日本大会開催を視野に入れている中、ケイプ選手は自らを日本市場における集客カードとして売り込んでいるのである。RIZIN時代に日本で知名度を築いた背景を持つケイプ選手にとって、日本はキャリア形成の重要な舞台であり続けている。
今回の勝利によって、ケイプ選手はフライ級王座挑戦へ大きく前進した。
UFCフライ級での王者への挑戦権争いにおいて有力選手として名乗りを挙げたことは間違いない。

