日本最強の称号を越えて世界へ RISE王者 安本晴翔選手が語った「世界基準」と進化し続ける理由

2026.6.3

【©️RISE】

6月6日に東京 大田区総合体育館で開催される「OURO presents RISE WORLD SERIES 2026 TOKYO」。国内外のトップファイターが集結する今年屈指のビッグイベントの中で、ひときわ存在感を放って試合へ挑むのがRISEフェザー級王者・安本晴翔選手だ。

主催者よりインタビュー内容が届いた。

 


予定されている試合内容

8試合 SuperFight! -58kg契約 33R延長1R

安本晴翔(日本/橋本道場/第6RISEフェザー級王者、S-cup 2025 世界王者)
ゼ・ワリロ(中国/White Shark Fight Gym/初代IPCC東アジア キックボクシングルール-60kg級王者)

 

これまでRISEを主戦場にしながらも、ヒジありルールやシュートボクシングなど、多様な舞台で結果を残してきた安本選手。昨年はシュートボクシング「S-cup」を制覇し、今年3月には元K-1王者・寺田匠選手との大一番にも完勝。

いまや“日本フェザー級最強”の呼び声は、決して誇張ではない。

しかし、本人の視線は国内の頂点だけに留まっていない。

「日本人同士で勝っているだけでは意味がない。海外の強い選手に勝って、自分が世界に通用することを証明したい」

その言葉通り、安本選手が現在強く意識しているのは、“vs日本”ではなく“vs世界”というテーマだ。

今回対戦するのは、中国・武林風やタイ・RWSでも実績を残してきたゼ・ワリロ選手。世界基準を占う一戦としても、大きな注目を集めている。

インタビューでは、寺田選手との激闘を振り返りながら、日本最強への自負、世界と戦う覚悟、そして王者でありながらなお進化を求め続ける現在について率直な言葉で語った。

 

▪️「負けたら全部持っていかれる」 寺田匠戦に懸けた王者の覚悟

試合約10日前というタイミングで行われた今回のインタビュー。

現在のコンディションについて聞かれると、安本選手は落ち着いた表情で順調な仕上がりを口にした。

「今週いっぱいまではしっかり追い込んで、その後に調整していく感じです。かなり仕上がってきていると思います」

長いキャリアを誇る安本選手だが、身体づくりや減量方法は年々アップデートを重ねているという。

「10代の頃は短期間で一気に落とす感じでしたけど、今は1カ月くらいかけてじっくり落とすように変えました。体の作り方も昔とは変わってきています」

その積み重ねが、大きな成果として表れたのが今年3月の寺田匠選手戦だった。

RISE王者と元K-1王者による注目カード。

安本選手にとっても、“絶対に落とせない一戦”だったという。

「ここで負けたら、自分がこれまで積み上げてきたものを全部持っていかれる感覚がありました。本当に負けられない試合でした」

武尊選手を代表にもつチームの看板選手の1人である寺田選手はK-1を主戦場に結果を残してきた実力者。

一方で安本選手は、様々な団体やルールでキャリアを築き上げてきた。

「自分は色んな団体の選手と戦って勝ってきて、自分の価値を高めてきた自負があります。その積み重ねを、この一戦だけで覆されたくなかったです」

試合では冷静な試合運びで主導権を掌握。危なげなく勝利を収めたが、本人は内容に対してさらなる高みを求めていた。

「しっかり倒して勝てればもっと良かったとは思っています。ただ、RISEルールを理解した上で戦えた部分は大きかったですね」

 

▪️日本最強への確かな自負「フェザー級で一番強いのは自分」

寺田選手との大一番を制したことで、“日本フェザー級最強”という評価は一気に高まった。

その問いに対して、安本選手は静かに、しかし迷いなく言葉を口にする。

「自分が日本のフェザー級で一番強いと言っていいと思います」

その発言の裏には、単なる自信だけではなく、積み重ねてきた実績と経験がある。

昨年はシュートボクシング「S-cup」を制覇。さらにヒジありルールへの挑戦など、団体や競技性を超えて結果を残してきた。

「経験値では自分の方が上だと思っていました。ただ、寺田選手には未知の怖さもあったので、そこは警戒していました」

王者となり、日本最強との評価も確立しつつある。しかし安本選手は、その現状に決して満足していない。

 

▪️世界基準を証明するための戦いへ

今大会で対戦するゼ・ワリロ選手について、安本選手は「率直に強そう」と警戒感を示す。

その一方で、この試合を“世界への入口”として位置づけている。

「ここからはvs日本人ではなく、vs世界だと思っています。RISEの世界タイトルも目指していきたいですし、しっかり倒して勝ちたいです」

近年のRISEは、GLORYやRWS、ONE Friday Fightsなど海外団体との連携を強化。世界基準を意識したマッチメイクも増えている。

安本選手自身も、かつてONEでアキフ・グルザダ選手に敗れた経験があり、その敗戦が現在のモチベーションにもなっている。

「ONEで負けた借りは返したいです。世界にはまだまだ強い選手がたくさんいますし、外国人選手は日本人とは身体のバネやフィジカルが違う。だからこそ挑戦したい気持ちがあります」

ムエタイルールへの本格挑戦については慎重な姿勢を見せつつも、「今の自分の強さをRISEルールで証明したい」と語った。

今大会では、RISE×GLORYによる国際色豊かなカードも多数ラインアップされている。

その中で安本選手が求めているのは、単なる勝利ではない。

「いいカードが多い大会ですけど、その中でも際立つような、白熱した試合をしたいです。自分が世界に通用することを証明したい。“安本なら世界にいける”って思わせる試合を見せたいです」

“日本最強”を証明した王者は・・・その先にある世界へと歩みを貫く。


【文:高須基一朗】