「結果を出しても守られない」MLBの冷酷なロースター事情・・・ドジャースが示した“世界最高峰リーグ”の現実
【=MLB on FOX】
ドジャースは6日(日本時間7日)、アンソニー・バンダ投手(32)をメジャー出場を前提とする40人ロースターから外したと発表した。レッズからウェーバーで獲得した捕手ベン・ロートベットを登録するための措置で、形式上は「ロースター調整」だが、実態は戦力外通告に等しい。
MLBでは26人のアクティブロースターとは別に、昇降格や負傷者対応を含む「40人ロースター」が存在する。この枠から外されることは、メジャー契約の保護を失うことを意味し、選手はDFA(Designated for Assignment)という不安定な立場に置かれる。一定期間内に他球団からウェーバーで獲得されなければ、マイナー降格、もしくは自由契約となる可能性が高い。
その対象となったのが、昨季ドジャースのブルペンを支えた左腕だった。
バンダは2024年5月に金銭トレードで加入。
同年は48試合に登板し、防御率3.08。続く2025年シーズンはチーム最多の71試合に登板し、5勝1敗、防御率3.18と、数字の上でも明確な「戦力」として機能していた。過密日程の中で救援陣の負担を一身に引き受け、球団初のワールドシリーズ連覇を支えた存在でもある。
それでもメジャーでは、こうした実績がロースター残留を保証することはない。
MLBは結果よりも「枠」を優先するリーグだ。
新戦力を加えるために空けるべき1枠が必要になった瞬間、年齢、将来性、オプションの有無、年俸調停のリスクなど、複合的な要素を基準に選別が行われる。
32歳という年齢、長期的な資産価値の低さは、バンダにとって不利に働いたと見られる。
重要なのは、これはドジャース特有の冷酷さではなく、MLBという制度そのものが内包する論理だという点だ。メジャー最低年俸は定められているものの、40人枠から外れた瞬間、その保証は消える。
契約は「能力の評価」ではなく、「今後の柔軟性」を確保するために切られる。
バンダは4日(同5日)、アリゾナ州グレンデールのキャンプ施設で自主トレーニングを行っていた。13日(同14日)に控えるバッテリー組キャンプインを前に、次のシーズンを当然のように迎える準備をしていた中での通告だった。
結果を残しても守られない。
必要とされている間は酷使され、状況が変われば即座に切り離される。
華やかな舞台の裏側で、メジャーリーグは極めて流動的で冷徹な労働市場として機能している。

