【NBA】サンズがウェンバニャマ攻略の糸口をNBAに示す “全員守備”でスパーズの連勝ストップ

スパーズの連勝街道を止めたのは意外にも再建期のサンズだった。
そして、その勝利の中で彼らが示し事はNBA全体にとっても
価値ある“攻略の青写真”だった。
平均30.2得点と破壊力を見せつけていたビクター・ウェンバニャマを、
わずか9点に封じ込めた。
130-118で完勝を収めたサンズのディフェンスプランは、
もはや「個で止める」発想を超えた“組織戦”だった。
▪️一人で止められないなら全員で
その象徴となったのが、2年目のライアン・ダンだ。
身長で20センチ以上も劣る相手に、怯むことなく身体をぶつけ続けた。
「彼のような選手を一人で止めるのは不可能。でも、全員で行けば話は違う。彼に自由を与えなければ、脅威にはならない」
サンズはウェンバニャマをペイントに近づけさせず、ハンドラーとしてアタックしてくる場面では即座にダブル、時にトリプルチームを仕掛けた。
オールスイッチを多用し、突破されればインサイドのビッグマンが体を張ってファウル覚悟で止める。ウェンバニャマはリズムを完全に崩し、攻撃の軸を失った。
ブッカーの統率で攻守が噛み合う
攻撃面ではデビン・ブッカーがゲームハイの28得点をマークしつつも、チームプレーを最優先。2桁得点が7人というバランスの取れたスコアリングで、スパーズの守備を分断した。
「正しいプレーを選び続ければ、チームが応えてくれる。今日はそれを信じた」
ブッカーの冷静なゲームコントロールが、守備への意識統一にもつながった。
彼が最前線でウェンバニャマへの圧をかけ、守備のトーンを作ったことも大きい。
 
▪️怪物封じをNBAnちゃん全体へ投げかけた衝撃
サンズが示したのは、単なる一勝ではない。
それは、NBA全体に「ウェンバニャマをどう止めるか」という戦術的な問いに対する“初めての明確な答え”だった。
この日の試合は、リーグにとって転換点となるかもしれない。
ウェンバニャマという異次元の存在を止めるには、誰かが道を示さねばならなかった。
サンズはそれをやってのけたのだ。
NBAではどんなスターも、やがて対策の波に飲み込まれる。
その速度は、まさにリーグの進化そのものだ。
これから各チームがサンズの守備戦略を研究し、再現を試みるのは間違いない。
