25戦全勝同士の激突なるか スティーブンソン対ムラタラにWBOが対戦指令、無敗記録を懸けた注目の一戦へ

2026.10.28

世界ボクシング機構(WBO)は27日(日本時間28日)、WBO世界スーパーライト級王者のシャクール・スティーブンソン(米国)と、同級1位の指名挑戦者レイモンド・ムラタラ(米国)に対し、指名試合に向けた交渉を開始するよう指令を出した。交渉期限は20日間で、合意に至らなければ興行権入札に移行する。

両者はいずれもプロ25戦全勝。

スティーブンソンは25勝11KO、ムラタラは25勝17KOと、

ともに無敗の戦績を誇る。

世界トップクラスの実力者同士が、

無敗記録と世界王座を懸けて拳を交えることになるのか。

 


▪️世界4階級制覇のスティーブンソンが初防衛戦へ


スティーブンソンは今年1月31日(日本時間2月1日)、米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで、当時のWBO世界スーパーライト級王者テオフィモ・ロペス(米国)に挑戦。

12回判定3-0で勝利し、世界4階級制覇を達成した。

米専門誌「ザ・リング」が選定するパウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングでも男子3位に入る実力者。階級を上げながら世界王座を獲得してきた実績に加え、卓越した技術と試合運びを持ち味とする。

一方、今夏には米国の新興プロモーション会社「ズッファ・ボクシング」と契約。しかし、今月19日(日本時間20日)には、自身のYouTubeチャンネルで同社との契約を解除したことを明らかにした。

契約期間中には、WBO世界ウエルター級王者デビン・ヘイニー(米国)との対戦交渉も進められていたが、契約体重や試合当日の体重の戻し幅をめぐって条件が折り合わず、交渉は決裂したとされる。

ヘイニーとの対戦が実現しなかったなか、今回浮上したのが、同じく無敗を誇るムラタラとの指名試合だ。スティーブンソンにとっては、スーパーライト級王者として初めて迎える防衛戦となる。

 


▪️ムラタラは世界2階級制覇を目指す


対するムラタラも、着実に世界のトップへと歩みを進めてきた。

昨年5月にIBF世界ライト級暫定王座を獲得。同年6月、正規王者だったワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)が現役引退に伴って王座を返上したことで、正規王者に昇格した。

今年1月には、当時同級1位だったアンディ・クルス(キューバ)を相手に12回判定2-0で勝利し、初防衛に成功。8月には同級11位のホブソン・コンセイサン(ブラジル)を12回判定3-0で下し、2度目の防衛を果たした。

その後、スーパーライト級への転級を目指してライト級王座を返上。新たな階級で世界王座を獲得し、2階級制覇を達成することを目標に掲げる。

スティーブンソンとの対戦が実現すれば、王座を狙うムラタラにとって、階級を上げて臨む大きな挑戦となる。相手は世界4階級制覇を成し遂げた無敗の王者。25戦全勝という共通点を持つ両者が、異なるキャリアと実績を背景に激突する構図となる。

 


▪️25戦全勝同士が無敗のままリングに上がるのか


今回の対戦指令によって、両陣営は20日以内に交渉をまとめる必要がある。合意に至らなければ興行権入札へと進むが、現時点で試合日程や開催地などは確定していない。

スティーブンソンは25戦25勝11KO、ムラタラは25戦25勝17KO。両者とも一度も敗れておらず、KO数ではムラタラが上回る。もっとも、スティーブンソンは世界4階級制覇の実績を持ち、ムラタラは世界王座を獲得・防衛してきた勢いを武器に、新階級での飛躍を狙う。

無敗の記録を守りながら世界王座を手にするのは、どちらになるのか。

25戦全勝同士による注目の対決は、交渉の行方次第で実現へと近づく。

なお、ここに割って入る可能性があるヘイニーは

34戦33勝(15KO)1無効試合の戦績を持つ世界3階級制覇王者。

スティーブンソンをめぐる今後の対戦構想も含め、

スーパーライト級を中心とした世界トップ戦線の動きは楽しみだ。


【文:高須基一朗】