38歳ヴォルカノフスキーが無敗イヴロイエフをTKO撃破 UFCフェザー級王座防衛「自分らしくい続けた結果、みんなの愛が実を結んだ」

2026.10.25

UFC世界フェザー級王者のアレクサンダー・ヴォルカノフスキー選手(オーストラリア)が10月24日(日本時間)、アラブ首長国連邦アブダビで開催された「UFC 333」のメインイベントに出場。MMA20戦無敗の挑戦者モフサル・イヴロイエフ選手(ロシア)を2ラウンド4分54秒、TKOで下し、王座防衛に成功した。

9月に38歳を迎えた王者が、UFC10連勝中だった32歳の難敵を撃破。試合後には、対戦相手への敬意とファンへの感謝を口にし、「自分らしくい続けることができた。その結果、みんなの愛が実を結んだ」と喜びを語った。

 


▪️第2ラウンド終盤 左フックから右ストレートで決着


5分5ラウンド制で行われたフェザー級タイトルマッチ。イヴロイエフ選手は、組み技を軸に相手をコントロールするスタイルを武器に、MMA20戦無敗の実績を引っ提げて王者に挑んだ。

対するヴォルカノフスキー選手は、打撃の距離を巧みに操る技術と、相手の攻撃に対応する判断力が持ち味。挑戦者のテイクダウンをどう封じるかが、勝敗を左右するポイントとなった。

第1ラウンドは、ヴォルカノフスキー選手が中央を確保し、ジャブやワンツー、カーフキックで攻撃を組み立てる。イヴロイエフ選手もシングルレッグやダブルレッグで組み付き、王者の体勢を崩そうとしたが、ヴォルカノフスキー選手は素早く立ち上がり、スタンドでの攻防に持ち込んだ。

迎えた第2ラウンド、王者は前進を続けながらパンチを当てる場面を増やしていく。イヴロイエフ選手も打ち返したものの、終盤に試合が動いた。

ヴォルカノフスキー選手が左フックから右ストレートをヒット。体勢を崩した挑戦者を追い、グラウンドでパウンドを連打する。イヴロイエフ選手が頭を抱えて防御するなか、レフェリーが試合をストップした。

2ラウンド4分54秒、TKO。王者が無敗の挑戦者に初黒星をつけ、タイトルを守った。

 


▪️結婚記念日の妻に約束した早期決着


試合後のケージ内インタビューで、ヴォルカノフスキー選手はイヴロイエフ選手の実力を認めた。

「彼は素晴らしいファイターだ。無敗だったのには理由がある。ただ、彼に初めて黒星をつける役目を果たせるのは自分だと言っていたんだ。彼への敬意は十分にあるよ」

今回の試合には、妻との約束もあったという。試合前、結婚記念日を迎えた妻に、早く試合を終わらせると伝えていた。

「水曜日が妻との結婚記念日だったんだ。『手短に終わらせるから、リングサイドでストレスを感じなくていいよ』って約束していた。これでよかっただろ」

フィニッシュの場面については、残り時間が少ないことを把握しながら、大きなダメージを与える一撃を狙っていたと説明。パンチを受けたイヴロイエフ選手がガードを固めた際、レフェリーが試合を止めると感じたという。

 


▪️相手を罵ったり偽りの姿を見せたりするのは得意じゃない


インタビューでは、自身のキャリアを支えてきた姿勢についても語った。

ヴォルカノフスキー選手は、対戦相手を挑発したり、注目を集めるために普段とは違うキャラクターを演じたりすることは、自分のスタイルではないと明かす。

「このプラットフォームでうまくやれているのは、本当にラッキーなことだ。自分のブランドを育てるには最高の場所だからね。ここまで時間がかかったよ。相手を罵ったり、偽りの姿を見せたりするのが得意なタイプじゃないから」

そのうえで、自然体で活動を続けてきたことが、ファンの支持につながったとの思いを口にした。

「ただ、自分らしくいるだけさ。そして、そのプロセス全体を通して、自分らしくい続けることができた。その結果、今ではみんなが僕を愛してくれるようになった。今、その愛が実を結んだと感じている」

世界中から寄せられる声援については、UFCのスタッフやファイター、ファンへの感謝を伝え、「本当に信じられないほどだ。心から感謝している。

皆さん、本当にありがとう」と締めくくった。

 


▪️初黒星のイヴロイエフも王者を称賛


一方、キャリア初黒星を喫したイヴロイエフ選手は、悔しさをにじませながらも、王者の実力を高く評価した。

「自分にとってはひどい試合だった。彼はまるで上質なワインみたいだ。年齢を重ねるごとに、より強く、より良くなっている。彼はまさに伝説だ」

アブダビで試合を行えたことへの感謝を述べるとともに、再挑戦の可能性にも言及した。

「自分が最強だとは証明できなかった。まだそこには至っていない。また挑戦するかもしれない。今は家に帰って、少し休んで、怪我を治さなきゃ」

最後まで王者への敬意を崩さず、「彼のような相手に負ける方がマシだ。彼ほど上手くない相手に負けるよりはね」と語った。

 


▪️38歳の王者が再び証明した実力


ヴォルカノフスキー選手は、過去にライト級でイスラム・マハチェフ選手に2度敗れ、2024年2月にはフェザー級でイリア・トプリア選手にも敗北した。しかし、2025年4月にディエゴ・ロペス選手との王座決定戦を制してタイトルを奪還。2026年1月の再戦でも勝利し、今回の防衛につなげた。

無敗の挑戦者を相手に、組み技への対応力と打撃の精度を発揮したヴォルカノフスキー選手。38歳となっても世界最高峰の舞台で結果を残し、ファンへの感謝を率直に伝える謙虚な言葉選びが姿が印象に残る王者だった。