マネル・ケイプ選手が遂にUFC王座挑戦へ 待たされた末につかんだタイトルマッチ、日本で知られる元RIZIN王者がジョシュア・ヴァンと激突
UFC世界フライ級の頂点を懸けた注目の一戦が正式に決定。
現王者ジョシュア・ヴァン選手と、元RIZINバンタム級王者のマネル・ケイプ選手が、2027年1月30日(現地時間)、カナダ・トロントで開催される「UFC 336」で対戦する。フライ級タイトルマッチはコメインイベントとして実施される。
ケイプ選手にとって、これはUFC移籍後初となるタイトル挑戦だ。日本の格闘技ファンにも馴染みのある実力者が、世界最高峰の舞台で悲願のベルト獲得に挑む。長く待ち望んだチャンスを手にしたケイプ選手と、若くして王座をつかみ、すでに強豪との防衛戦を経験してきたヴァン選手。両者の対決は、フライ級の勢力図を左右する重要な一戦。
■ タイトル挑戦を待つ間も、ケイプは勝利を重ねてきた
ケイプ選手は、アンゴラ出身の32歳。
打撃を武器とするストライカーのファイターで、
UFC参戦前にはRIZINで活躍し、2019年にはバンタム級王座を獲得。
日本での知名度を高めた背景には、堀口恭司選手との対戦もある。2019年大みそかのRIZIN.20では、堀口選手を相手に判定勝ち。日本の格闘技シーンで存在感を示したケイプ選手は、その後、世界最大級の総合格闘技団体であるUFCへと舞台を移した。
しかし、UFCでの道のりは決して一直線ではなかった。2021年のデビュー戦ではアレクサンドル・パントージャ選手に判定で敗れ、その後も勝敗を重ねながら、世界王座への距離を縮めていった。
それでも、ケイプ選手はフィニッシュ能力を武器に存在感を強めてきた。アスー・アルマバエフ選手、ブランドン・ロイバル選手、そして堀口恭司選手との再戦でも勝利。とりわけロイバル選手を1ラウンドでKOした試合は、タイトル戦線における評価を高める結果となった。
2026年6月には、UFCで再び対戦した堀口選手を3ラウンドKOで下した。かつてRIZINで激闘を繰り広げた日本の実力者を、今度はUFCの舞台で破ったことは、ケイプ選手の成長と現在の実力を示す勝利の一つだった。
こうして実績を積み上げてきたケイプ選手にとって、今回のタイトル挑戦は、単にランキング上位に到達した結果というだけではない。長い間、王座を懸けた試合を待ち続けてきたキャリアの節目でもある。
■ なぜタイトルマッチまで時間がかかったのか
ケイプ選手がタイトル挑戦を待つことになった背景には、フライ級の王座戦線をめぐる事情があった。
2026年、UFCは次期挑戦者として平良達郎選手を優先する方針を示していた。ケイプ選手は王座挑戦の機会を待つ選択肢も提示されたが、長期間試合から離れることを望まず、別の対戦相手と戦い続ける道を選んだ。
2026年6月の堀口選手との再戦も、その判断の延長線上にあった。
ケイプ選手は当時、米メディア「MMA Fighting」のインタビューで、タイトル挑戦を待つよりも試合を続けたいという考えを明かしている。競技者として好調なリズムを維持し、試合を重ねながら自分の価値を証明することを重視していた。
実際、ケイプ選手はロイバル選手や堀口選手らを破り、タイトル挑戦にふさわしい実績を積み重ねた。
結果として、平良選手が王座に挑む流れが先行した一方、ケイプ選手も立ち止まることなく勝利を重ね、挑戦者としての立場を確かなものにしていった。
今回のタイトルマッチ決定は、そうした経緯を経て実現したものだ。ケイプ選手が待ち続けたという側面だけでなく、本人が試合を続ける選択をし、そのたびに結果を残してきたことも見逃せない。
■ 王者ヴァンは、勢いだけではない実力を証明
対するジョシュア・ヴァン選手は、ミャンマー出身の若き世界王者だ。UFCで急速に頭角を現し、2025年12月にはパントージャ選手とのタイトルマッチに臨んだ。
この試合は開始直後、パントージャ選手が負傷したことで決着。ヴァン選手が王座を獲得したものの、試合内容をめぐっては再戦を望む声もあった。
その後、ヴァン選手は2026年5月に平良選手を5ラウンドTKOで下し、王者としての実力を示した。さらに9月にはパントージャ選手との再戦を制し、判定勝ちを収めている。
短期間でタイトル獲得と強豪相手の防衛戦を経験したヴァン選手は、打撃の回転数と攻撃の継続力が持ち味。相手に圧力をかけながら手数を重ね、試合の流れを引き寄せる能力に優れている。
一方のケイプ選手は、鋭い打撃と一撃で試合を終わらせる決定力が大きな武器だ。相手の攻撃を見極め、カウンターを合わせる技術も持ち合わせている。
試合が始まれば、ヴァン選手が手数と圧力で主導権を握るのか、それともケイプ選手が相手の攻撃を読み、決定的な一撃を当てるのかが焦点になる。
■ 日本の格闘技ファンにとっても見逃せないタイトルマッチ
ケイプ選手のタイトル挑戦は、日本の格闘技ファンにとっても特別な意味を持つ。
RIZINで王座を獲得し、堀口選手との対戦を通じて日本のファンに知られるようになったケイプ選手。UFC移籍後も世界の強豪と戦い続け、ついに世界王座を懸けた舞台にたどり着いた。
もちろん、過去に日本で活躍した実績だけで今回の勝敗が決まるわけではない。対戦相手のヴァン選手も、平良選手やパントージャ選手との試合を通じて、その実力を証明している。
だからこそ、今回の対戦は興味深い。日本のファンがRIZIN時代から知るケイプ選手が、UFCのベルトを懸けてどこまで力を発揮できるのか。かつて日本のリングで築いたキャリアが、世界最高峰の舞台で一つの到達点を迎えることになる。
■ ついに巡ってきた王座獲得のチャンス
2027年1月30日の「UFC 336」で実現する、ヴァン選手とケイプ選手のフライ級タイトルマッチ。
王座挑戦を待つ間も試合を続け、勝利を積み上げてきたケイプ選手にとって、今回の試合はキャリア最大級のチャンスとなる。一方、ヴァン選手にとっても、勢いのある挑戦者を退けて王者としての地位をさらに確かなものにする重要な防衛戦だ。
長く続いたタイトル戦線をめぐる駆け引きは、ついにオクタゴンの中で決着を迎える。

