【ボクシング】寺地拳四朗選手を破ったサンドバル選手がまさかの5回TKO負け 7日前の緊急参戦から世界フライ級統一王者へ、メンドーサ選手が大金星

2026.10.11

プロボクシングのWBA、WBC世界フライ級王座統一戦が10月10日(日本時間11日)、米イリノイ州シカゴで行われ、WBA10位、WBC15位のセルヒオ・メンドーサ選手(26)=メキシコ=が、統一王者のリカルド・サンドバル選手(27)=米国=に5回TKO勝ちを収めた。メンドーサ選手は世界ランキングで2団体とも下位に位置する挑戦者ながら王者を撃破。

わずか7日前に出場が決まったという異例の経緯も含め、

世界フライ級戦線に大きな波紋を広げる結果となった。


 

▪️2度のダウンで流れを掌握 最後は連打でレフェリーストップ

試合が大きく動いたのは2回だった。メンドーサ選手は持ち味の攻撃力を発揮し、サンドバル選手から最初のダウンを奪取。さらに右ストレートで顔面を捉えると、左アッパーで再びダウンを奪い、統一王者を追い込んだ。

3回にも強打でサンドバル選手の体勢を崩し、試合の主導権を握ったメンドーサ選手。迎えた5回には右フックで3度目のダウンを奪った。

立ち上がったサンドバル選手に対し、メンドーサ選手は一気に連打を浴びせる。これ以上の続行は困難と判断したレフェリーが、5回1分46秒で試合をストップ。メンドーサ選手が鮮烈なTKO勝ちで世界王座を手にした。

戦績はメンドーサ選手が28勝(24KO)1敗、サンドバル選手が27勝(18KO)3敗となった。

 

▪️「メキシコ万歳!」 亡き兄に捧げた世界王座

試合後、メンドーサ選手は「今は衝撃を受けている。メキシコ万歳!」と喜びを表現。フライ級で自身の力が通用すると確信していたことを明かし、今回の結果について「全ての犠牲が報われた」と振り返った。

家族と離れて過ごす苦労にも触れながら、勝利を最近亡くなった兄に捧げたメンドーサ選手。「僕は本来、フライ級の選手で、今回の結果がそれを証明した」と語り、自らの適正階級で世界の頂点に立ったことを強調した。

今回の勝利を際立たせるのが、メンドーサ選手の直前までのキャリアだ。2025年4月には東京・後楽園ホールでIBF世界ミニマム級王者タノンサック・シムシー選手(タイ)に挑戦したものの、2回KO負けを喫していた。そこから再起を期した一戦で、2階級上に相当するフライ級の世界統一王座を獲得。キャリアの流れを大きく変える勝利となった。

 

▪️コラーゾ選手の負傷で急きょ代役に わずか7日で大一番へ

 さらに驚くべきなのは、メンドーサ選手が当初からサンドバル選手の対戦相手として予定されていたわけではなかったことだ。

 プロモーターのオスカー・デラホーヤ氏は、米ボクシング専門メディア「ボクシング・シーン」に対し、メンドーサ選手がオスカー・コラーゾ選手(プエルトリコ)の代役として、わずか7日前に出場が決まったと説明。サンドバル選手がKO負けを喫した結果についても、驚きを隠さなかった。

 当初、サンドバル選手はWBAスーパー、WBO世界ミニマム級統一王者のコラーゾ選手との対戦を予定していた。しかし、コラーゾ選手の負傷により計画が変更。急きょ代役に抜てきされたメンドーサ選手が、世界王者の座を懸けた大一番で実力を証明した。

 

▪️寺地拳四朗選手から王座を奪ったサンドバル選手に何が起きたのか

 サンドバル選手は2025年7月、日本で寺地拳四朗選手に判定勝ちを収め、WBA、WBC世界フライ級統一王座を獲得した実力者だ。寺地選手との一戦では、日本のファンにもその存在を強く印象づけた。

 その統一王者が、初防衛戦でランキング下位の挑戦者に5回TKO負け。世界王者同士の対戦が予定されていた舞台は、直前の対戦相手変更を経て、思いがけない新王者誕生の舞台となった。

 もっとも、今回の結果だけでサンドバル選手の実力を評価し切ることはできない。メンドーサ選手がフライ級で持ち味を発揮した一方、王者側にとっては初防衛戦での敗北という厳しい結果となった。