『ONE PIECE』劇場版2作品を一挙発表 2027年『GOD VALLEY』 2029年『BAAD』へ マーベル大型発表に続く世界市場での存在感
人気漫画・アニメ『ONE PIECE』が、
2027年と2029年に向けた劇場版の大型展開を一挙に発表した。
8月22、23日の2日間、千葉・幕張メッセで開催された「ONE PIECE DAY ’26」の2日目。メインステージ終了直後に上映された超特報で、
2027年夏公開予定の『ONE PIECE FILM GOD VALLEY』、
2029年公開予定の『ONE PIECE FILM BAAD』という
2本の劇場版最新作が明らかになった。
タイトルロゴと特報映像に加え、原作者・尾田栄一郎氏による直筆タイトル画像も公開。『ONE PIECE FILM RED』以来となる劇場版シリーズの本格的な再始動に、国内外のファンから大きな注目が集まっている。海外メディアも今回の2作品発表を相次いで報じており、世界規模のフランチャイズとして、その存在感を改めて示す発表となった。
▪️マーベルが世界市場を沸かせた直後に ONE PIECEも大型スケジュールを提示
今回の発表をエンターテインメント業界全体の流れから見ると、
非常に興味深いタイミングでもある。
2026年7月25日、米国で開催されたサンディエゴ・コミコンでは、Marvel Studiosが『Avengers: Doomsday』をはじめとする
今後の大型作品について大々的な情報発信を行った。
マーベルは『Avengers: Doomsday』を2026年12月、
『Avengers: Secret Wars』を2027年12月に配置するなど、
数年先まで続く大型フランチャイズのロードマップを世界のファンに提示。
さらに2028年以降の作品群についても情報が広がり、
コミック原作エンターテインメントの未来を強く印象づけた。
そして、その約1か月後。
日本を代表する巨大IPである『ONE PIECE』が、
自らの大型イベント「ONE PIECE DAY」で
2027年と2029年の劇場版作品を発表した。
もちろん、今回の『ONE PIECE』の発表がサンディエゴ・コミコンでのマーベルの発表を直接受けて決定されたことを示す公式情報はない。
一方で、世界中のエンターテインメントファンが
「次に何が来るのか」に注目する時期に、『ONE PIECE』もまた、
数年先まで見据えた劇場版のロードマップを提示したことには大きな意味がある。
いわば、世界の大型IPが次々と未来の話題を提示していくなかで、
『ONE PIECE』も独自のタイミングで強烈なカードを切った形だ。
▪️「後出し」ではなく 世界市場を意識した発表競争へ
ハリウッドでは、コミコンやD23などの大型イベントを舞台に、
数年先の映画作品まで発表することが珍しくない。
作品そのものの公開だけでなく、
「次は何が来るのか」という期待感を継続的に作り出すことが、
巨大フランチャイズにとって重要なマーケティング戦略になっている。
今回の『ONE PIECE』も、2027年、2029年という遠い未来の作品を先に提示したことで、単なる新作映画の告知にとどまらず、
「これからもONE PIECEの大型展開が続いていく」という
強いメッセージを世界のファンへ届けた。
特に注目されるのが、1作品だけではなく2作品を同時に発表した点だ。
2027年の『GOD VALLEY』、2029年の『BAAD』。
この2本を並べることで、『ONE PIECE』が現在の人気だけではなく、
30周年以降の長期的なコンテンツ展開まで視野に入れていることが浮かび上がる。
▪️2027年は原作30周年『GOD VALLEY』が節目の年を飾る
第1弾となる『ONE PIECE FILM GOD VALLEY』は2027年夏公開。
2027年7月22日は、原作漫画『ONE PIECE』が連載開始30周年を迎える記念日だ。
1997年に『週刊少年ジャンプ』で連載を開始して以来、約30年にわたって世界中の読者を魅了してきた作品が、記念すべき年に新たな劇場版を送り出すことになる。
そしてタイトルに冠された「GOD VALLEY」は、
原作ファンにとって極めて大きな意味を持つワードだ。
原作で描かれてきたゴッドバレー事件は、
ロックス海賊団、若き日のロジャー、海軍、世界政府など、
作品世界の歴史を語るうえで重要な要素とされている。
今回発表された映画が、原作のゴッドバレー事件をどこまで、どのような視点で描くのかは現時点で詳細が明らかになっていない。
だからこそ、タイトルが公開された瞬間から世界中のファンの想像力を刺激する、極めて強力な題材となっている。
海外メディアでも「ファンから長く期待されていたゴッドバレーの映像化」として今回の発表が報じられており、海外市場においても注目度の高い作品になることが予想される。
▪️2029年には『BAAD』アニメ30周年へ
さらに2029年には、『ONE PIECE FILM BAAD』が公開される。
この年はアニメ『ONE PIECE』の放送開始30周年という大きな節目。
つまり、
2027年=原作連載30周年
2029年=アニメ放送30周年
という2つの記念イヤーに劇場版を配置する構成となっている。
作品の歴史そのものを、劇場版を中心とした大型イベントへつなげていく展開だ。
現段階では『BAAD』についてストーリーや登場キャラクターなどの詳細は公開されていないが、尾田氏直筆のタイトル画像まで解禁されたことで、今後どのような情報が追加されていくのかにも注目が集まる。
▪️『FILM RED』が作った203億円超の市場
『ONE PIECE』がここまで大規模な劇場版展開を行える背景には、前作『ONE PIECE FILM RED』の圧倒的な成功がある。
2022年8月6日に公開された『FILM RED』は、公開初週の土日興行収入でシリーズ最高となる22.5億円を記録。
その後もロングランとなり、アンコール上映を含めて総動員数1474万人、興行収入203.3億円に到達した。
『ONE PIECE』が映画市場においても巨大な集客力を持つことを証明した作品であり、次回作への期待値を押し上げる大きな実績となっている。
▪️世界累計6億部突破 日本発IPの代表格へ
さらに2026年3月には、コミックス既刊の全世界累計発行部数が6億部を突破。
漫画作品としての規模はもちろん、アニメ、映画、ゲーム、グッズ、イベント、配信、実写作品など、さまざまな分野へ広がる巨大エンターテインメントブランドへ成長している。
今回の2作品発表も、そうした世界的なIPとしての成長を背景にしたものといえる。
マーベルがサンディエゴ・コミコンで数年先まで続く映画ロードマップを提示した一方、『ONE PIECE』も日本最大級のファンイベントを舞台に、2027年と2029年という未来の劇場版を提示した。
これは単純な作品発表というより、世界市場で巨大IPが「未来の話題」を競い合う時代に入ったことを象徴する動きともいえる。
▪️2027年から始まる新たな劇場版時代
『ONE PIECE FILM RED』から約5年。
その間に原作は最終章へ入り、世界の歴史や空白の100年、Dの一族、世界政府など、作品の根幹に関わる物語が大きく動いてきた。
そのタイミングで登場するのが『GOD VALLEY』というタイトルだ。
そして、その先には2029年の『BAAD』が待つ。
さらに世界の大型フランチャイズが相次いで将来の作品を発表するなか、『ONE PIECE』もまた、2027年、2029年という未来を明確に示した。
「次の映画はいつなのか」という待望論に応えるだけでなく、
数年先までファンの期待をつなぎ続ける。
それこそが、現在の『ONE PIECE』が持つ世界的なブランド力を
最大限に生かした戦略といえる。


