MLB ロボット審判 が開幕戦で歴史的初稼働 判定は球審と完全一致…ABSが示した「精度」と信頼性

2026.3.27

MLB2026年シーズンの開幕戦で、ついに導入された自動ボールストライク判定システム(ABS)が史上初めて稼働し、その精度の高さと判定の信頼性が大きな注目を集めた。


 

この試合はニューヨーク・ヤンキースとサンフラインシスコ・ジャイアンの開幕戦。

今季から本格導入されたABSチャレンジシステム、

いわゆる“ロボット審判”が早速使用される歴史的な場面が訪れた。

場面は4回表、ヤンキースのホセ・カバジェロの打席。

ジャイアンツ先発ローガン・ウェブが投じた内角高めのシンカーをカバジェロは自信を持って見送り、これに対して球審はストライクと判定。

これに対しカバジェロはすぐにABSチャレンジを要求した。

そしてMLB史上初めて、レギュラーシーズンで自動ボールストライク判定システムが正式に判定を下すこととなった。

注目の判定結果は・・・覆ることはなくストライク判定。

映像で確認されたボールは、ストライクゾーンの角をわずかにかすめる“紙一重”のコース。しかしABSの判定は球審の判定と完全に一致し、最終的にストライクが確定した。

この結果は、会場から歓声とため息が入り乱れる、光景が大きな話題ともなった。ABSが単なる補助システムではなく、極めて精密な判定を下せる技術であることを示す象徴的な場面であり、今季から誤審がゼロの数字を叩き出す未来が見えている。


 

【ABSとは何か!? 】

ABSは「Automatic Balls and Strikes」の略称で、

日本語では「自動ボール・ストライク判定システム」と呼ばれる。
球場に設置されたカメラやセンサーがボールの軌道を追跡し、

事前に設定されたストライクゾーンをボールが通過したかどうかを

瞬時に判定する仕組みだ。

判定結果は審判にイヤホンなどで伝えられ、審判が最終的にコールする形となる。

つまり完全に審判が不要になるわけではなく、

あくまで「判定は機械 コールは審判」という形が基本となっている。

ABS導入の背景には、ストライクゾーンの判定を巡る問題がある。
従来の野球では審判によってストライクゾーンの広さや傾向が微妙に異なり、

投手や打者、試合によって判定が変わることがあった。

特に近年はトラッキングデータが普及し、「明らかな誤審」が数値として可視化されるようになったこともあり、より公平な判定を求める声が強まっていた。

ABSはこうした問題を解決するためにマイナーリーグで実験的に導入され、

その後、今季2026年の開幕戦よりMLBでも段階的に導入が進められている。

 

▪️チャレンジ方式も採用

現在のABSは完全自動判定だけでなく、

「チャレンジ方式」と呼ばれる仕組みも採用されている。

これは打者・投手・捕手が判定に不満がある場合、その場でチャレンジを要求できる制度で、トラッキングデータによる判定結果が球場の映像に表示され、

判定が覆るかどうかが即座に決まる。

テニスやサッカーのVARに近い仕組みで、

試合の流れを大きく止めずに正確な判定を行えるのが特徴だ。

この映像が大型スクリーンに観客の目でも可視化されることで、

球場の盛り上がりワンシーンを演出する点も大きな利点だ。

ABSの導入は、野球の歴史の中でも大きな転換点といわれている。
これまでストライクゾーンは「審判の個性」とも言われ、試合の駆け引きの一部でもあった。しかしABSの普及によって、ゾーンは完全にデータで管理される時代へと変わりつつある。


【文:高須基一朗】