韓国主将イ・ジョンフ「惨事の主役になりかけた」9回“天国と地獄”の超美技 国の威信懸けた執念で4大会ぶり突破【WBC】
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野球世界一を決める舞台は、単なるスポーツ大会ではない。各国が“国の威信”を背負って戦うからこそ、試合は時に映画のようなドラマを生む。
その象徴とも言える瞬間が、9日夜の東京ドームで訪れた。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンド・プールCで、韓国はオーストラリアに7―2で勝利。日本、オーストラリアと2勝2敗で並ぶ大混戦となったが、失点率の差で韓国が2位となり、4大会ぶりの1次ラウンド突破を決めた。
試合の終盤は、まさに“天国と地獄”が紙一重の展開だった。
9回裏、韓国は7―2とちょうど5点差。この点差を守り切ることが準々決勝進出の条件だった。
1点でも失えば状況が変わる可能性があるという、極限の緊張が漂う守備だった。
1死一塁。豪州のパワーヒッター、ウィングローブが放った打球は右中間へ一直線に伸びる強烈なライナー。
スタンドからどよめきが上がる中、右翼へ回っていた主将の**イ・ジョンフ**が猛然とダッシュした。
スライディングしながらのダイビングキャッチ――。
ボールはグラブに収まり、東京ドームは大歓声に包まれた。韓国にとって、準々決勝進出をぐっと引き寄せるビッグプレーだった。
試合後、イ・ジョンフはこの瞬間を振り返り、安堵の笑みを浮かべた。
「何も考えていなかったです。ただボールが飛んできた瞬間、『絶対に捕らなきゃ』と思って走りました。途中で照明に少し入ってしまったんですが……運も味方してくれたようです」
実はその直前、主将は“ヒーロー”どころか“戦犯”になりかねない状況にいた。
9回表、韓国は6―2。
準々決勝進出のためにはあと1点が必要な場面だった。
1死一塁で打席に立ったイ・ジョンフの打球は遊撃へのゴロ。
しかし豪州のデールが二塁へまさかの悪送球し、一、三塁へチャンスが拡大。
続くアン・ヒョンミンが中犠飛を放ち、値千金の追加点が生まれた。
「私が“惨事の主役”になりかけましたが、仲間たちの勢いが勝っていたようです」
主将はそう苦笑いを浮かべた。
勝つだけでは足りない。
点差まで計算しながら戦う―。
国の威信を背負う国際大会ならではの重圧が、
選手たちのプレーを極限まで研ぎ澄ませた。
そして、この劇的突破は韓国にとって新たな戦いの幕開けでもある。
大会はここから決勝トーナメントに突入するが、組み合わせの構図を見ると、アジア勢の中でも韓国が日本より先に銀河系メジャー軍のアメリカとホームアドバンテージによるマイアミの地で対峙する可能性が高い状況となっている。
なお、日本代表が勝ち進めば、その後に決勝の舞台でアメリカと対峙する構図も見えてくるが、まず最初にこの巨大な壁に挑むのは韓国となる公算が大きい。
国の威信を背負った戦いは、ここからさらに重みを増していく。
劇的な突破を果たした韓国は、その勢いのまま、世界最強への挑戦へと歩めるか!?

