2大会連続で立ちはだかった“練習中の転倒”近藤心音、五輪スロープスタイル欠場が突きつけた現実

2026.2.7

(=AP)

ミラノ・コルティナ冬季五輪の舞台で、またしても近藤心音選手はスタート地点に立つことができなかった。フリースタイルスキー女子スロープスタイル(SS)予選。

日本代表の近藤心音(22=オリエンタルバイオ)は、競技開始とともに「DNS(出場せず)」と表示され、その姿を見ることはなかった。


 

発端は大会2日前の公式練習だった。

5日、ジャンプ台から飛び出した直後にバランスを崩して転倒。

左膝を痛め、救急車で搬送された。6日の公式練習には参加したものの、最終的に下された判断は「欠場」だった。

メダル争い以前に、五輪という舞台で“競技を始める資格”そのものが、再び彼女から遠ざけられた。

この光景は、近藤選手にとって既視感のあるものだ。前回2022年の北京五輪でも、スロープスタイル公式練習中の転倒により右膝を負傷し、本番に出場できないまま大会を去っている。五輪2大会連続、しかもいずれも「本番ではなく練習中」のアクシデント。

偶然と片付けるには、あまりに残酷な符合と言える。

だからこそ、今大会に懸ける思いは強かった。

開幕前、日本オリンピック委員会(JOC)を通じて発表したコメントには、北京大会欠場の記憶が色濃く滲んでいる。「私の中で“出場できなかった”という思いが、ずっとわだかまりとして残っていました」。その言葉は、結果以上に“舞台に立てなかった事実”が、アスリートにどれほど深い影を落とすかを物語っている。

 

それでも彼女は、「後悔しない道を歩むために諦めなかった」と続けた。競技成績だけでは測れない時間、自分自身と向き合い続けてきた日々。その歩みが誰かの希望や勇気になるなら、それが自分が頑張ってきた理由になる―近藤選手はそう記している。

五輪を単なる勝敗の場ではなく、人生の物語として捉える視点は、現代のトップアスリートならではの成熟を感じさせる。

近藤選手は今大会、スロープスタイルとビッグエアの2種目で代表入りしており、ビッグエア予選は14日に控えている。スロープスタイルでは再び扉を閉ざされたが、五輪そのものが終わったわけではない。身体の状態と向き合いながら、14日のビックエアーにはエントリーするのか!?

どのような決断を下すのか待たれる。