ブルズが敗れても、視線は彼に集まった!河村勇輝選手が“数字以上の存在感”を示し続けている点
【©️Chicago Bulls 】
チームは3連敗。
しかし、試合後にSNSを賑わせたのは勝敗とは別のところにあった。
現地時間2月5日、シカゴ・ブルズは敵地でトロント・ラプターズに107―123で敗戦。結果だけを見れば厳しい一戦だが、この夜、ブルズの攻撃に明確なリズムを与えていた存在がいるのが河村勇輝選手だ。
途中出場ながら12分11秒で3得点、自己最多タイとなる7アシスト。
数字自体も十分に評価に値するが、それ以上に注目すべきは
「どのように語られ、拡散されたか」である。
試合直後から、河村選手のノールックパスや速攻での絶妙な展開力は、ブルズ公式を含む複数のSNSハイライトでピックアップ。
投稿には短時間で数万規模の再生数と多数のリアクションが集まり、コメント欄では「攻撃の流れが変わる」「短い時間でも違いを生む」といった声が並んだ。
敗戦試合でありながら、華のある個人のプレーが切り取られるのは異例と言っていい。
背景には、ブルズの特殊なチーム状況がある。トレード・デッドラインを前にロスターの約半分を入れ替え、故障者も重なった結果、出場可能選手はわずか10人。
そのなかで河村選手は4試合連続でローテーション入りを果たし、事実上“即席編成の司令塔役”を担っている。
第1クォーター残り4分16秒に投入されると、新加入ジェイデン・アイビーの得点をいきなり演出。続けて、五輪で対戦経験のあるガーション・ヤブセレの移籍後初得点をお膳立てし、この短時間で4アシストを記録した。
第2クォーターにはマタス・ブゼリスのハイライトダンクを連続で演出。
観客のどよめきと同時に、SNS上でも動画が拡散されていく。
後半はミスやフィジカル面での厳しさも露呈したが、それでもオープンの3ポイントを沈め、出場時の得失点差はチーム唯一のプラス。
ベンチに下がると流れが滞る―そんな印象を残したこと自体が、存在感の証明だろう。
今季の河村選手は、単なる「日本人選手」や「話題性枠」ではない。
短時間でも攻撃の質を変え、かつSNS上で“数字としての反応”を生み出す存在へと移行しつつある。これは現代のプロ・スポーツ選手としての価値をNBAの評価軸において、決して軽くない意味を持つ。
【文:高須基一朗】

