マンCに80ポイント剥奪の可能性も 2部降格▶︎2季連続残留の報道 過去の処分を超える厳罰はあるのか

2026.10.20

イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティを巡る財務規則違反問題で、巨額の勝ち点剥奪や2部チャンピオンシップへの降格、さらには2シーズンにわたって2部にとどまる可能性が海外メディアで報じられた。英紙「ザ・サン」は10月19日、英紙「デイリー・メール」の報道を引用し、残留が極めて難しくなる規模の勝ち点剥奪が検討されていると伝えた。

ただし、80ポイントの剥奪と1億ポンド(約190億円)の制裁金は、同紙のマーティン・リプトン記者が主張した処分案であり、リーグが正式に決定した内容ではない。問題の核心は、独立委員会が認定した違反の重大性と、クラブ側の控訴を経てどのような制裁が科されるのかにある。


 

▪️115件の告発を巡る問題 独立委員会は114件を認定

プレミアリーグは9月29日、マンチェスター・シティに対する財務規則違反問題について、独立委員会の判断を公表した。

対象となったのは、2009-10シーズンから2017-18シーズンまでの9シーズン。プレミアリーグの公式発表によると、クラブは複数のスポンサーとの間で実態を正確に反映していない商業契約を結び、収益を実際より大きく見せる仕組みを利用していたと認定された。

また、会計情報の不正確な報告や、プレミアリーグおよび欧州サッカー連盟(UEFA)の財務規則に関する違反、リーグの調査への協力義務違反も判断の対象となった。独立委員会は、財務規則に関する告発を認定し、調査への協力義務違反についても大部分を認めた。

一方、クラブ側は判断に異議を唱え、10月1日に控訴を申し立てた。

マンチェスター・シティは公式声明で、委員会の判断には事実や法解釈などに重大な誤りがあると主張し、自らの立場を争う姿勢を示している。

したがって、現段階では違反認定と、その後に科される制裁を分けて捉える必要がある。勝ち点剥奪や降格が確定したわけではない。

 

▪️エバートン、ノッティンガム・フォレストへの処分と何が違うのか

今回の問題を理解するうえで重要なのが、過去にプレミアリーグが科した勝ち点剥奪処分との比較だ。

エバートンは2023-24シーズン、収益性・持続可能性規則(PSR)違反を理由に勝ち点10を剥奪された。その後の控訴で処分は6ポイントに軽減されたが、別の違反についても勝ち点2の剥奪を受けた。

ノッティンガム・フォレストも同シーズン、PSR違反により勝ち点4を剥奪された。クラブは控訴したものの、2024年5月に独立控訴委員会が処分を維持している。

いずれも財務規則違反に対して勝ち点剥奪が科された事例だが、マンチェスター・シティの案件は、対象期間の長さに加え、スポンサー契約や財務情報の報告、調査への協力など複数の論点を含んでいる。

もっとも、過去の事例で科されたポイント数を、そのまま今回の処分に当てはめることはできない。違反の内容や規模、適用される規則、委員会の判断によって制裁は異なるためだ。

 

▪️驚きの80ポイント剥奪 2部で2季連続残留というシナリオ

英紙「ザ・サン」は「デイリー・メール」の報道を引用し、プレミアリーグ幹部が控訴手続きの結果が出る前に処分を公表するよう働きかけていると伝えた。

報道では、最も可能性の高い処分案として、マンチェスター・シティのプレミアリーグ残留を事実上困難にする大規模な勝ち点剥奪が挙げられている。さらに、降格後も追加の勝ち点剥奪が科され、チャンピオンシップに2シーズン連続でとどまる可能性があるという。

一方、プレミアリーグからの除名については、イングランド・フットボールリーグ(EFL)側の大会運営にも大きな影響が及ぶとして、実現性は低いとの見方が紹介された。

ただし、これらは海外メディアが伝えた処分の見通しであり、独立委員会による正式な制裁決定ではない。80ポイントの剥奪や1億ポンドの制裁金も、確定した処分として扱うことはできない。

今後の大きな焦点となるのが、控訴の審理と処分決定のスケジュールだ。

英紙「タイムズ」は10月14日、独立サッカー規制機関(IFR)のデービッド・コーガン議長が、マンチェスター・シティの問題について2027年初頭までに結論が出るとの見通しを示したと報じた。

同紙によると、今季導入された手続きでは、控訴審理は原則として申し立てから12週間以内に終え、その後30日以内に判断を示すことになっている。ただし、今回の案件は新たな手続きが導入される前から進行していたため、クラブ側が適用の可否を争う可能性も指摘されている。

また、違反認定に対する控訴とは別に、制裁そのものを巡っても争いが生じる可能性がある。処分の内容次第では、最終的な決着までさらに時間を要することも考えられる。

 

▪️問われるのは処分の重さだけではない

マンチェスター・シティの財務規則違反問題は、単一クラブへの制裁にとどまらず、プレミアリーグが財務規則をどのように適用し、競争の公平性を担保するのかという問題にもつながっている。

過去にはエバートンやノッティンガム・フォレストが勝ち点剥奪を受けており、財務規則違反に対する制裁はすでに実施されてきた。今回の案件では、違反認定の範囲や内容、控訴の結果を踏まえ、どのような処分が妥当と判断されるのもポイントだろう。

現時点で降格や2シーズン連続の2部残留を断定することはできない。

独立委員会の認定、クラブ側の反論、控訴手続き、

そして最終的な制裁決定を区別して追うことが、

今回の問題を正確に理解するうえで欠かせないことだ。