K-1=石田龍大選手が大久保琉唯選手にKO宣言「自分の中のルールは最低300秒、目標は120秒KO」初防衛戦の先に見据える「3階級制覇」
K-1 WORLD GPフェザー級王者・石田龍大選手が、
初防衛戦を前に強烈なKO宣言を放った。
9月12日、東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される
K-1 WORLD GPフェザー級タイトルマッチで、
王者・石田龍大選手(POWER OF DREAM)が
挑戦者・大久保琉唯選手(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER)を迎え撃つ。
王者にとって初めての防衛戦。
しかし、石田選手の視線は「王座を守る」という一点だけには向いていない。
強い相手と戦い、強い相手を倒す。
その積み重ねによって、自らが立つフェザー級の価値を高めていく。
そこに石田選手が描く王者像がある。
▪️「どう来てもめっちゃワクワクします」
大久保選手との対戦が決まった際、石田選手は「大久保琉唯か、みたいな感じ」と振り返った。
しかし、そこに落胆はない。
むしろ「どう来てもなんかめっちゃワクワクしますね」と、挑戦者との対戦を心待ちにしている。
大久保選手は55キロのスーパーバンタム級からフェザー級へ階級を上げ、4月には新美貴士選手を下している。
石田選手も大久保選手の実力を高く評価している。
「強いと思います」
さらに、大久保選手がK-1を背負う人気選手であることにも言及。
多くの期待を受けてリングに上がる選手だからこそ、「簡単には倒れないと思う」と警戒しながらも、自らは真っ向からKOを狙う構えを崩さない。
「どれだけ強いんだろうって」
その言葉には、王者としての自信だけではなく、強敵との戦いそのものを楽しもうとする姿勢が表れている。
▪️「甘いは正義じゃねえぞ。胸肉食えよ」
今回の対戦を象徴するのが、両者のキャラクターの違いだ。
大久保選手はSNSなどでスイーツを楽しむ姿を発信している一方、石田選手は所属するPOWER OF DREAMで徹底した自己管理を続けている。
大久保選手のスイーツ好きについて聞かれると、石田選手は笑いながらも、
「甘いは正義じゃねえぞ。胸肉食えよって」
と独特の言葉を口にした。
もちろん、これは単なる挑発ではない。
石田選手にとって、強さはリングの上だけで作られるものではないからだ。
トレーニング、食事、睡眠。
試合当日から逆算して日常そのものを整える。
その徹底した生活こそが、自信を持ってリングに立つための土台になっている。
▪️一度の失敗が、王者の生活を変えた
もっとも、最初から現在のような自己管理ができていたわけではない。
石田選手には、約3年前に体調を崩しながら練習を続け、入退院を繰り返した経験がある。
高熱が出た状態でも、試合が決まっていたことで焦って練習を続行。
その結果、血を吐くまで追い込んでしまい、最終的には試合自体がなくなった。
この経験を境に、食事、睡眠、練習への向き合い方を大きく見直した。
「全部会長の指示通りに、食事、睡眠、練習全部を変えました」
現在のストイックな生活には、こうした過去の経験が生きている。
休日でも軽く走り、サウナや温泉で身体を整える。
一方で、体調が悪いときには休む。
「休むこと」も含めてコンディションを管理する。
強くなるために無理をするのではなく、長く強くあり続けるために自分を管理する。
その考え方が、現在の石田選手を支えている。
▪️「相手が元気な状態で、俺は勝ちたい」
石田選手が何度も口にするのが、「強い状態の相手と戦いたい」という考えだ。
フェザー級には、大久保選手だけでなく、兼田将暉選手、新美貴士選手ら実力者がいる。
石田選手は、そうした選手たちとも全員戦いたいという。
「こんなことを言ったら、ちょっと炎上しちゃうかもしれないですけど、全員まとめて一日で戦ってみたいくらいです」
さらに兼田選手については「多分一番強い」と評価。
9月26日の「Krush.192」で予定されている新美選手と兼田選手の対戦についても、勝敗に関係なく、その先で戦うことを望んでいる。
ただし、条件は一つ。
「最強の状態になってから戦いたいですね」
弱った相手を倒しても、自分自身が強くなった証明にはならない。
だからこそ石田選手は、
「弱いままだったら、勝っても価値が低くなる」
と語る。
これは今回の大久保戦にも通じる。
相手が万全であればあるほど、勝利の価値は高くなる。
王者としてのプライドが、対戦相手へのリスペクトと表裏一体になっている。
▪️120秒以内でのKOを目標に「それ以外は自分の負け」
そして、初防衛戦を前に石田選手が掲げたのが明確なKO目標だ。
前戦では関口功誠選手を1RKOで下してK-1 WORLD GPフェザー級王座を獲得。
今回は、そのKOタイムをさらに縮めるつもりでいる。
「120秒以内に倒しに行きたい」
120秒――2分以内のKOが目標だ。
ただし、石田選手の中にはさらに厳しい基準がある。
「120秒は目標ですが、300秒以内に倒せたらとりあえずクリアで、それ以外は自分の負けです」
もちろん、試合では指示を守りながら戦う。
それでも自分自身に課すハードルは高い。
「自分の中のルールは最低300秒、目標は120秒KO」
王座防衛を目的に守りに入るのではなく、自分から試合を動かし、倒し切る。
それが石田選手の描く初防衛戦だ。
▪️「痛いは気持ちいい」不安を自信に変える
石田選手の独特な精神性を象徴する言葉もある。
「痛いは気持ちいいって教わっています」
所属ジムで培われた考え方の一つだという。
試合が近づくにつれて、不安は少しずつ減っていく。
そして試合当日には、
「自信に満ち溢れています」
と話す。
その自信は、根拠のない強がりではない。
日々のトレーニングを積み重ね、食事や睡眠まで徹底的に管理してきたという実感があるからこそ生まれる。
リング上の数分間を支えるのは、その前に積み重ねてきた膨大な時間だ。
▪️初防衛戦の先にある「3階級制覇」
石田選手は2024年6月、第9代Krushフェザー級王座決定トーナメントを制してKrush王座を獲得。
その後、2026年5月に第7代K-1 WORLD GPフェザー級王座決定戦で関口選手を1RKOで下し、新王者となった。
Krush王座を返上し、現在はK-1に専念している。
そして、今回の初防衛戦のさらに先に掲げる目標が「3階級制覇」だ。
「とりあえずK-1にいる間は、そこが目標です」
大きな目標を持ちながらも、石田選手が最も大切にしているのは目の前の一戦。
まずは大久保選手を倒す。
その先で、兼田選手、新美選手を含むフェザー級の強豪たちとの戦いへ進む。
強い相手と戦い、勝つ。
その歴史を積み重ねた先に、3階級制覇という未来がある。
9月12日、代々木第二体育館。
王者・石田龍大選手にとって、大久保琉唯選手との初防衛戦は、単なるベルトを守るための試合ではない。
「強い相手に勝ってこそ、勝利には価値がある」
そう考える王者が、自らの強さを証明するためにリングへ上がる。

