石井武志選手 世界初挑戦へ 1年間のフィジカル強化が生んだ確かな自信「この体があるから、いける」

2026.9.1

 

「嫌いで逃げていた」フィジカルトレーニングと向き合った1年間。

その積み重ねが、世界のベルトを懸けた大一番を前に、

石井武志選手の肉体と自信へと変わった。

プロボクシングのダブル世界戦が9月2日、横浜BUNTAIで開催される。

セミファイナルでは、WBA世界ミニマム級王座決定戦として、

同級2位の石井武志選手(大橋)が、

同級3位で元WBO世界同級王者の

ウィルフレド・メンデス(プエルトリコ)と

12回戦で対戦する。

世界初挑戦となる石井選手は

1日、横浜市内のホテルで行われた前日計量に臨み47.5キロで一発クリア。

対するメンデスも47.3キロで計量を終え、両者とも決戦への準備を整えた。


 

計量後の石井選手からは、これまで以上の充実感が漂っていた。

「コンディションはめちゃくちゃいいです」

そう語った石井選手が、対戦相手について口にしたのは「細いな」という印象だった。

身長ではメンデスを下回るものの、石井選手の引き締まった上半身は、1年間にわたるフィジカル強化の成果を感じさせるものだった。

 

▪️「嫌いで、今まで逃げていた」トレーニングとの向き合い

もともと石井選手は、フィジカルの強さを武器としてきた。

しかし本人にとって、フィジカルトレーニングは決して得意分野ではなかった。

むしろ「嫌いで、今まで逃げていた」という。

だからこそ、1年前に始めた本格的なフィジカル強化には大きな意味があった。

「強いと言われていて、自分ではうーんという部分がずっとあった。逃げていた嫌いなところをやってみたらどうなるか」

自分自身が避けてきた部分と向き合い、継続して取り組んだ1年間。

その成果は、計量の場に立った肉体だけではない。石井選手自身の内面にも、確かな変化をもたらした。

「1年で凄く変わったので、嫌いで苦手なところもやるもんだなと思いました。この体があるからいけるなという気持ちもつくれている」

世界初挑戦を目前にして生まれたのは、単なる肉体的な強さではない。

「これだけ準備してきた」という実感が、

リングへ向かう石井選手の大きな支えとなっている。

そして、その思いは本人が語る通り、肉体そのものにも表れている。

「今日見てもらったら分かると思うんですけど、僕のこの試合に懸ける思いというのが体に出ていると思います」

1年間の努力を、世界戦のリングで証明する。

石井選手にとって、9月2日はその集大成となる。

 

▪️勝負のカギは「最初の1ラウンド」

大橋ジムの大橋秀行会長は、今回の世界戦について、序盤でペースをつかむことが重要になると見ている。

石井選手自身も、そのポイントを強く意識している。

トレーナーの八重樫氏からも「ここから先はあっという間。気がついたらリングの上にいる」と声を掛けられたという。

世界初挑戦。

当然、独特の緊張感はある。

それでも石井選手は、最初の1ラウンドこそ勝負を分ける重要な時間になると見据えている。

「あと1ラウンド、そこで僕がビビるのか、強い自分が出るのか。それは明日にならないと分からないですけど、本当に1ラウンドのファーストコンタクトが一番大事だと思います」

その言葉から伝わるのは、不安よりも覚悟だ。

「自分もそこで出す手段というか、準備はやることをやってきましたし、そういう練習を常にやってきたんで、全く引くことなく行こうかなと思ってます」

1年間積み重ねてきた練習がある。

世界初挑戦だからこそ慎重になるのではなく、自分が積み上げてきたものを信じて、最初から勝負を仕掛ける。

石井選手の姿勢は明確だ。

 

▪️武居由樹選手の勧めから始まった世界への道

石井選手がプロボクシングの世界へ進むきっかけとなったのが、同じくキックボクシング出身で、元WBO世界バンタム級王者の武居由樹選手(大橋)だった。

キックボクシングからボクシングへ。

異なる競技の経験を力に変えながら歩みを進め、今回、プロ13戦目で初めて世界王座へ挑む。

そして、世界王者になれば、大橋ジムにとって6人目の世界王者となる。

これまで数々の世界王者を送り出してきた名門ジムの歴史に、

自らの名前を刻むチャンスだ。

「本当に素晴らしいチャンピオンしかいないので、大橋ジムで6人目になれることを凄く誇りに思う。明日は必ず世界チャンピオンになりたいと思います」

力強い言葉には、大橋ジムの一員として

世界王座をつかみたいという誇りが込められている。

 

▪️1年間の変化を、世界のベルトへ

世界初挑戦を前に、石井選手が手にしているのは、鍛え上げた肉体だけではない。

苦手だったことから逃げず、1年間継続して取り組んだ経験。

そして、「この体があるからいける」と思えるほどの自信。

そのすべてを、世界戦の12ラウンドにぶつける。

対戦相手のメンデスは元世界王者。経験も実績も十分な強敵だ。

だからこそ、石井選手にとって今回の一戦は、自らの成長を世界に示す最高の舞台となる。

「必ず世界チャンピオンになりたい」

そう言い切った石井選手が、9月2日、横浜BUNTAIのリングへ上がる。