ペッチの引退で再評価される歴史的快挙…原口健飛選手が証明した「最後に勝ち切る力」
2026.8.5
キックボクシング界に、一つの時代の区切りが訪れた。
65キロ級で世界最高峰の強さを誇ったぺっちのリングネームで親しまれている
ペットパノムルン・キャットムーカオ選手(31=タイ)が、
キックボクシングからの引退を正式発表した。
その輝かしいキャリアの最終章で向き合った相手こそ、
RISEを代表するエースの原口健飛選手だった。
ペッチ選手のキックボクシング最後の試合となった一戦で、原口選手はついに勝利をつかんだ。この一勝の価値は、ペッチ選手の実績だけでは語れない。なぜなら原口選手は、その日のトーナメントで極限の戦いを連続で勝ち抜いた末に、
世界最高峰の王者を撃破したからだ。
▪️準決勝で強敵YURA戦 決勝でペッチ戦 過酷な2連戦を制した精神力
今年6月に開催されたGLORY×RISEラストフェザーウェイトスタンディング・トーナメント。原口選手は準決勝でYURA選手と対戦し、激闘の末に勝利。そして決勝では、これまで3度対戦し勝利をつかめなかった宿敵ペットパノムルン・キャットムーカオ選手と拳を交えた。通常のワンマッチとは異なり、トーナメントでは勝ち上がるほど肉体的な疲労、精神的なプレッシャーは増していく。前の試合でフルラウンドで消耗した状態でも、次のリングでは世界最高峰の相手と向き合わなければならない。 その過酷な条件の中で、原口選手は最後まで集中力を切らさず、延長判定3―0でペット選手を下した。これは単なるリベンジではない。「勝たなければならない瞬間で勝つ力」を証明した歴史的な勝利だった。
▪️3度も敗れた宿敵を相手を最後の最後で超えた意味
ペッチ選手はGLORYフェザー級王者として9度の防衛を達成し、RISEスーパーライト級王座、第1回フェザー級ワールドグランプリ優勝など、圧倒的な実績を築いた。
原口選手にとっては、長く越えられなかった世界最高峰の高い壁だった。
過去3度敗戦した相手に対して、最も重要な舞台で勝利する。
しかも、準決勝という難しい一戦を乗り越えた直後の決勝で結果を出した。
そこには技術だけではなく、王者になるために必要な精神力があった。
ペッチ選手の最後のキックボクシングマッチで勝利したファイターとして、
原口選手の名前は歴史に刻まれ、
世界トップファイターであることをさらに高めた。
【文:高須基一朗】

