キックボクシング界に、一つの時代の区切りが訪れた。
65キロ級で世界最高峰の強さを誇ったペッチのリングネームで長年 親しまれてきたペットパノムルン・キャットムーカオ選手(31=タイ)が、キックボクシングからの引退を正式発表した。その輝かしいキャリアの最終章で向き合った対戦相手こそ、RISEを代表するエースの原口健飛選手だった。
ペッチ選手はGLORYフェザー級王者として9度の防衛を達成し、RISEスーパーライト級王座、第1回フェザー級ワールドグランプリ優勝など、圧倒的な実績を築いた。原口選手にとっては、長く越えられなかった世界最高峰の高い壁だった。過去3度敗戦した相手に対して、最も重要な舞台で勝利する。しかも、準決勝という難しい一戦を乗り越えた直後の決勝で結果を出した。そこには技術だけではなく、王者になるために必要な精神力があった。ペッチ選手の最後のキックボクシングマッチで勝利したファイターとして、原口選手の名前は歴史に刻まれ、世界トップファイターであることをさらに高めた。
【文:高須基一朗】