修斗世界王者SASUKE選手 世界の壁を痛感 アルジェリア強豪の一撃に沈んだPFL初陣、その実力差とは

2026.5.24

日本格闘技界の実力者が、世界最高峰の舞台で厳しい現実を突きつけられた。

5月24日(日本時間)、ベルギー・ブリュッセルで開催された『PFL Brussels』フェザー級マッチ。現修斗世界フェザー級王者のSASUKE選手(MASTER JAPAN TOKYO)は、アルジェリアの新鋭アサエル・アジュージ選手に2ラウンドTKO負けを喫した。期待を集めたPFL初参戦だったが、待っていたのは“世界基準”の洗礼だった。


 

試合を決定づけたのは、2ラウンド終盤に飛び出した左ハイキックだった。

SASUKE選手が放った左前蹴り。その打ち終わりのわずかな隙を、アジュージ選手は見逃さなかった。鋭く振り抜かれた左ハイキックがガードの上から頭部を直撃。SASUKE選手はその場に崩れ落ち、追撃の鉄槌を受けたところでレフェリーが試合を止めた。

まさに“一瞬”で勝負が決まった。

しかし、内容を振り返れば、試合はそれ以前からアジュージ選手のペースだったと言える。

サウスポーのアジュージ選手は、左ミドル、後ろ廻し蹴り、跳びヒザといった多彩な蹴り技を軸に試合をコントロール。さらに接近戦ではヒジ打ちやパンチの連打も交え、打撃の引き出しの多さを見せつけた。単なる“蹴り主体の選手”ではなく、距離、リズム、緩急を巧みに操る総合力の高さが際立っていた。

一方のSASUKE選手も、蹴り足をキャッチしてテイクダウンを奪うなど、日本人選手らしい組みの強さを発揮。バッククリンチや払い腰を狙い、グラウンドへ持ち込もうとした。しかし、アジュージ選手はフィジカル、バランス、打撃の反応速度でそれを上回り、主導権を渡さなかった。

現在11連勝中のアジュージ選手は、BellatorやPFLを主戦場としてきたファイターだ。唯一の敗戦はプロデビュー戦のみ。経験値という意味でも、SASUKE選手との差は小さくなかった。

近年、日本格闘技界ではRIZINを中心に国内人気が再燃している。その一方で、PFLやUFC、ONE Championshipといった海外メジャー団体では、よりフィジカル、スピード、打撃精度を兼ね備えた“世界基準”の戦いが加速している。

今回の敗戦は、SASUKE選手個人の問題というより、日本格闘技界全体が向き合うべき課題を映し出した一戦だった。