RISE 全30選手が一発計量パスに見る“競技集団”としての成熟 適正体重思想が生む理想形、その到達点
【©️RISE】
2026年3月28日、東京・両国国技館で開催される『RISE ELDORADO 2026』の前日計量が都内で行われ、出場する全30選手が一発で計量をパスした。
プレリム3試合、本戦12試合の計15試合は、予定通りすべて実施される。
メインイベントの世界バンタム級タイトルマッチで対戦する王者・志朗選手と挑戦者・大﨑孔稀選手を筆頭に、セミファイナルの那須川龍心選手と長谷川海翔選手ら主要カードの選手も含め、全員が契約体重をクリア。
この結果は、単なる“順調な進行”という言葉では片付けられない意味を持つ。
▪️減量ではなく「適正体重」で戦うという思想
格闘技における計量は、しばしば興行のリスク要因となる。
極端な減量による失敗、再計量、試合中止―
そうした事例は国内外を問わず後を絶たない。
その中でRISEが一貫して打ち出してきたのが、
「減量して合わせる」のではなく、「その階級で戦える体を作る」という適正体重の思想である。
今回の計量結果を見れば、それは明白だ。
多くの選手が契約体重ぴったり、あるいは数百グラムアンダーでクリアしている。
これは直前の水抜きで帳尻を合わせたものだけでは無く、
日常的にその階級で戦う身体を維持している証左にほかならない。
つまりRISEの選手たちは、「減量がうまい選手」ではなく、
その階級の選手として完成されている存在と言い換えられる。
▪️意識の統一が生む「競技集団」としての強さ
格闘技団体の価値は、スター選手の数だけでは測れない。
本質的な強さとは、選手全体の意識がどれだけ揃っているかにある。
それが、競技としての信頼性を左右する。
今回の「全30選手一発パス」は、RISEが単なる個の集合体ではなく、
明確な思想を持った“競技集団”へと進化していることの証明と言えるだろう。
その背景には、伊藤隆代表による徹底した選手管理がある。
試合決定後の調整は単なるスケジュール管理に留まらず、体重、コンディション、試合間隔、キャリア設計まで含めた総合的なマネジメントへと及ぶ。
その結果、選手は無理な減量に頼ることなく、
日常の延長線上で試合を迎えることが可能になる。
▪️計量はルールではなく「責任」である
計量をクリアすることは、単なる規定遵守ではない。
それは、プロとしての責任である。
対戦相手、主催者、スポンサー、放送、そして観客――
すべての関係者が大会の成立を前提に動いている以上、計量失敗は一人の問題では済まない。
だからこそ、今回の結果が示すのは単なるコンディションの良し悪しではない。
選手全体がプロとしての責任を共有しているという事実である。
強さとは、試合結果だけで測られるものではない。
リングに上がるまでの過程を含めて、初めて“プロの強さ”が成立する。
その意味で、RISEの選手たちは
競技者としての完成度が極めて高い集団と言える。
▪️「全員クリア」は理想であって、常態ではない
もっとも、こうした結果が常に実現するわけではない。
減量という行為そのものが不確実性を内包している以上、どれほど管理された環境でも、毎大会の完全達成は容易ではない。
それでもなお、今回のようなビッグマッチにおいて、
全選手が問題なく試合に臨める状態を整えたことには大きな意味がある。
これは偶然ではなく、
日常の積み重ねがもたらした必然である。
すべての大会で再現することは難しい。
しかし、この“理想形”を提示し続けることが、競技全体の基準を底上げしていく。
選手管理、適正体重、計量文化、試合成立率。
こうした“地味だが本質的な要素”を徹底して継続しているからこそ、
現在の人気と発展を支えている。
【文:高須基一朗】

