マリナーズ、投壊止まらず 本拠地で18被安打13失点の惨敗 イチロー氏が練習参加も勢い戻らず
【©️Toronto Blue Jays】
マリナーズ 4―13 ブルージェイズ(15日=T-モバイル・パーク)
歓喜に沸くはずだった本拠地が、悪夢のような一夜となった。
マリナーズはブルージェイズに13対4と大敗。
投手陣が18被安打・5被弾と崩れ、シリーズの流れを完全に手放した。
試合前、球場には特別な空気が漂っていた。
球団の象徴・イチロー氏が練習に姿を見せ、選手たちに笑顔で声をかけた。
殿堂入りを果たしたばかりの背番号「51」がグラウンドに戻り、
チームを鼓舞するようにキャッチボールを行うと、スタンドからは大きな拍手が起きた。
さらに始球式では、かつてイチローとともに黄金期を支えた左腕ランディ・ジョンソン氏(62)が登場。背番号「51」が受け継がれてきた歴史を象徴するようなセレモニーに、ファンの期待も高まった。
そのムードを背に、マリナーズ先発のジョージ・カービー(27)は初回を無失点で切り抜け、上々の立ち上がり。1回裏には“イチローの愛弟子”ことフリオ・ロドリゲス(24)が豪快な先制2ランを放ち、スタジアムは最高潮に達した。
しかし、夢の時間は長く続かなかった。
3回、ブルージェイズ打線が牙をむく。9番ヒメネスの同点2ランを皮切りに、守備の乱れも重なってこの回だけで5失点。以降は完全に流れを奪われた。
カービーは5回途中で3被弾、7失点KO。
中継ぎ陣も立て直せず、計18安打・13失点の大炎上となった。
ブルージェイズはスプリンガー、ゲレーロJrらが次々とスタンドに叩き込み、
チーム計5本塁打。
「Seize the moment(この瞬間をつかめ)」―
イチローがかつて残した言葉を胸に、マリナーズは終盤戦を駆け抜けてきた。
しかし、この夜ばかりはその“瞬間”をつかみきれなかった。
本拠地での痛恨の敗戦に、静まり返ったT-モバイル・パークに
イチローの姿が映し出されたのが、印象的だった。