伝説、再び!! 46歳パッキャオ、4年ぶりリングでドロー判定16歳下の王者と真っ向勝負「まだ伝説は終わっていない」

2025.7.20

【©️Manny Pacquiaoー写真/ロイター】

7月18日、米ラスベガスのMGMグランドに、ボクシング界の“生ける伝説”マニー・パッキャオが帰ってきた。実に4年ぶりとなる復帰戦。対するは、現役バリバリのWBC世界ウェルター級王者、マリオ・バリオス(30=米国)。16歳差という年齢の壁をものともせず、46歳の英雄は12ラウンドを堂々と戦い抜き、判定1-0(残り2者はドロー)で引き分けという快挙を成し遂げた。

 

試合は開始直後から白熱。パッキャオはかつての鋭さをそのままに、ステップインからの怒涛の連打で王者を幾度も下がらせ、攻撃の手を緩めなかった。被弾を恐れぬ姿勢、前に出る勇気、そして何より、リングに立つその佇まいが会場の観客を熱狂させた。スタンディングオベーションが、かつて幾多のタイトルを獲得してきたこの男の偉大さを物語っていた。

「勝ったと思ったが、接戦だった」と試合後に語ったパッキャオ。しかしこの試合で勝敗以上に価値あるものを彼は見せた。わずか2カ月のトレーニングで、世界王者と渡り合ったその姿こそ、ボクシングの本質であり、ファンが待ち望んでいた“本物”だった。

相手のバリオスも、「マニーに脱帽だ。スタミナもタイミングも狂っていなかった。彼とリングを共有できたことは、生涯最大の誇り」と最大限の敬意を表した。

現役王者がここまで称賛するレジェンドは、他に存在しない。

1998年、わずか19歳でWBC世界フライ級王座を獲得してから6階級制覇。フィリピンの国民的英雄として政治や社会活動にも身を投じたパッキャオ。

だがこの夜、彼はただひとりのボクサーとして、世界のどよめきの中心にいた。

昨年の安保瑠輝也戦では錆びついた印象すら漂ったが、今宵のパフォーマンスは全盛期を想起させる圧巻の内容。「これが私のスタイルだ」と語ったその拳は、老いを感じさせぬ力強さを携えていた。

「また試合をすると思う。伝説を残すためにも、もう一度勝ちます」

――その言葉に、嘘はなかった。46歳のマニー・パッキャオ、ボクシング史に刻まれた栄光のページは、まだ最終章を迎えていない。

これは終わりではない。伝説の“第二幕”が、ここから始まる。

【文:高須基一朗】