スピッツ「楓」が映画化 行定勲監督が“喪失と再生”描く
2025.7.17
▪️1998年の楽曲を原案に・・・12月19日公開へ
ロックバンド・スピッツの楽曲「楓」を原案にした映画『楓』が、2025年12月19日に全国公開されることが決まった。監督は『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年)などで知られる行定勲氏。スピッツの楽曲が映画の題材として本格的に映像化されるのは、デビューから34年で初となる。
楽曲「楓」は1998年発売のアルバム『フェイクファー』に収録され、同年にシングルカットされた。切なさと普遍的な感情を描いた歌詞が幅広い世代に支持され、現在も多くのアーティストにカバーされている。今回の映画では、この楽曲の持つテーマ性を軸に、オリジナルの物語が構築される。
作品の舞台は、人生の中で大切な人を失った男女を中心に展開。「出会いと別れ」「記憶と再生」といった普遍的なテーマを扱いながら、喪失感の先にある希望を描くという。撮影はニュージーランドで行われ、自然豊かな風景が作中の象徴的な背景として登場する。
脚本は『ソラニン』『東京リベンジャーズ』などの高橋泉氏が担当。
原曲の世界観を損なうことなく、現代的なラブストーリーとして再構築したという。
監督の行定氏は「恋愛には人の美しさだけでなく愚かさや狡さも表れる。『楓』という楽曲にインスパイアされ、人の気持ちを“遠慮”という視点から描いた」とコメント。「20年前に『セカチュー』で“喪失”を描いたが、今回もまた、人が再び歩き出す物語に挑戦することになった」と語った。
プロデューサーの井手陽子氏も「『楓』は長年多くの人に愛され、人生に寄り添ってきた楽曲。映画もまた、誰かの心に残る作品になれば」とコメントしている。