“RIZIN王者”ムサエフが期待外れのUFC初陣 まさかの一本負けで世界の壁痛感
▪️華々しく飾るはずだったUFCデビューが、無念の1ラウンド一本負け
6月22日(日本時間)、アゼルバイジャン・バクーで開催された『UFCファイトナイト・バクー』において、地元出身で元RIZINライト級GP王者のトフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン)が、キルギスのムフトベク・オロルバイにキムラロックで敗北。わずか1ラウンドでタップを強いられる、衝撃的な敗戦となった。
2019年末にRIZINのトーナメントを制し、“アゼルバイジャンの英雄”として名を上げたムサエフ。しかし、ベラトール転戦後のGPでは初戦敗退。そして1年8ヶ月ぶりの復帰戦となったUFCデビューでは、まさかの完敗を喫した。
対するオロルバイはUFCで2勝1敗、総合戦績13勝2敗の実力者。試合序盤からムサエフの打撃を徹底的に警戒し、何度もタックルを繰り出して主導権を掌握。グラウンドに持ち込むと、パウンドやチョーク、そしてサイドからのキムラロックと多彩な攻めを展開した。
ムサエフはスタンドでの一発を狙ったが、流れを断ち切ることはできず、終始劣勢のまま。ラウンド終盤には左ミドルをキャッチされてテイクダウンを許すと、そのまま強烈なキムラロックに捕まり、苦悶の表情でタップ。期待されたUFC初戦は、完敗という形で幕を閉じた。
地元開催、元RIZIN王者という肩書き、1年8ヶ月ぶりの復帰戦──あらゆる期待が交錯する中でのこの結果は、ムサエフにとって非常に厳しい現実だろう。特に、グラウンドへの対応力不足や、試合中の柔軟性に課題を残した印象は否めない。
今後、UFCの舞台で再起を図るには、打撃一辺倒のスタイルを見直し、総合力を鍛え直す必要がある。華々しい過去の実績だけでは、UFCでは通用しない――それを思い知らされた一夜となった。
【対戦したムフトベク・オロルバイは一本勝ちに笑顔】
▪️試合結果
『UFCファイトナイト・バクー』
2025年6月22日(日本時間)
アゼルバイジャン・バクー・クリスタルホール
▼ライト級マッチ
〇ムフトベク・オロルバイ(キルギス)
1R 4分35秒 一本勝ち(キムラロック)
●トフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン)