伊藤美誠選手 日本代表を離れる決断 五輪3冠の卓球界のスターが大きな決断
【©️テレビ東京】
東京五輪の卓球混合ダブルス金メダリストで、女子シングルスでも銅メダルを獲得した伊藤美誠選手(スターツ)が、日本卓球協会の2026年度後期女子ナショナルチームから外れた。10月1日付で代表メンバーから外れ、代表候補にも名前がなかった。世界のトップレベルで長年戦い続けてきた26歳の決断には、競技者としての将来だけでなく、一人の人間として自分自身と向き合いたいという思いが込められている。
■ 日本代表を離れ、競技と人生を幅広く考える
伊藤選手は今回の決断について、テレ東スポーツの取材に文面で回答。日本代表を離れる理由と今後への思いを明かした。
「今後のことを考えながら日々を過ごす中で、日本代表を離れてまっさらな状態で考えられる環境に身を置きたいと考えるようになりました。卓球だけでなく一人の人間として自分自身を見直す時間にしたく、これからの人生を幅広く考えたりチャレンジしたい想いもあり、今回の決断に至りました」
今回のコメントから読み取れるのは、代表活動だけにとらわれず、自分のこれからを幅広い視点で考えたいという意向だ。
ただし、日本代表から離れることと、現役引退は同じではない。伊藤選手は今回のコメントで引退を表明したわけではなく、今後の競技活動についてどのような選択をするのかが注目される。
■ 15歳で世界の注目を集めた卓球界の逸材
伊藤選手が国際舞台で存在感を示したのは、2015年の世界卓球選手権蘇州大会だった。当時15歳で女子シングルスのベスト8に進出し、女子の史上最年少記録を打ち立てた。
翌2016年のリオデジャネイロ五輪では女子団体のメンバーとして銅メダルを獲得。初出場のオリンピックで結果を残し、世界を舞台に戦う若き日本代表として注目を集めた。
その後も国際大会で実績を積み重ね、2021年の東京五輪ではキャリアの大きな節目を迎える。
■ 東京五輪で3つのメダル 日本卓球界に刻んだ実績
東京五輪で伊藤選手は、水谷隼さんとのペアで出場した混合ダブルスで金メダルを獲得。さらに女子団体で銀メダル、女子シングルスで銅メダルを手にし、1大会で3つのメダルを獲得した。
女子シングルスの銅メダルは、日本女子卓球にとって同種目初のオリンピックメダルだった。混合ダブルスの金メダルと合わせ、伊藤選手は日本卓球界の歴史に残る成果を挙げた。
東京五輪後は国際大会への出場を調整しながら競技を続けたが、2025年の世界卓球選手権ドーハ大会では女子シングルスで銅メダルを獲得。世界の舞台で再び表彰台に立ち、トップ選手としての実力を示した。
さらに2026年9月のアジア競技大会でも日本代表として女子団体の銀メダル獲得に貢献している。今回の代表離脱は、こうした実績を重ねてきた選手の決断として、大きな関心を集めそうだ。
■ 伊藤に代わり佐藤瞳が代表復帰 女子ナショナルチームの顔ぶれ
2026年度後期の女子ナショナルチームには、張本美和選手、早田ひな選手、大藤沙月選手、佐藤瞳選手、橋本帆乃香選手、長﨑美柚選手、面手凛選手の7人が名を連ねた。
伊藤選手に代わって代表入りした佐藤選手は、10月1日から11日まで開催されたWTTチャイナスマッシュの女子シングルスで準優勝。
日本女子として同大会の決勝に進出し、カット主戦型の選手として存在感を示した。
代表復帰は2023年4月以来、約3年半ぶりとなる。
代表メンバーの選考では、世界ランキングや直近の国際大会での成績などが注目される。一方、伊藤選手の場合は、代表候補にも名前がなかった点が特徴的だ。
本人が代表を離れて考える時間を求めたことが、今回の決断の背景にある。

