RIZIN人気ファイターの1人 伊藤裕樹選手が体重超過のガジャマトフ選手をTKO撃破 三桁万円ボーナス獲得で神龍誠選手とのタイトル戦実現へ
「勝てば大みそかが見えてくる」。
そんな状況でリングに上がった伊藤裕樹選手が、自らの拳で次の扉をこじ開けた。
11日に東京・TOYOTA ARENA TOKYOで開催された「RIZIN.54」で、伊藤裕樹選手はアリベク・ガジャマトフ選手をTKOで撃破。ガジャマトフ選手の1.75キロ体重超過によって、伊藤選手が勝利した場合のみ公式記録として認定されるという特殊な条件のなか、見事にフィニッシュまで持っていった。
さらに、この勝利が伊藤選手に思わぬ追い風をもたらした。
12日にRIZIN公式YouTubeで配信された「榊原社長に呼び出されました 2026」に出演した伊藤選手に対し、榊原信行代表が「社長室ボーナス」として
“三桁万円”の特別ボーナスを贈ることをサプライズ発表したのだ。
「俺もKOしろよって言った以上、裕樹がKOしたんだから。契約とかファイトマネーとは別に社長室ボーナス。三桁万円は」
榊原代表からの突然の発表に、伊藤選手も「マジっすか。やばい」と驚きを隠せなかった。
▪️「KOで勝て」という榊原代表の要求に伊藤選手が回答
今回の一戦は、通常の試合以上にプレッシャーのかかるものだった。
ガジャマトフ選手が計量で1.75キロ超過。試合は伊藤選手が勝利した場合のみ公式記録となり、敗れればノーコンテストという特殊な条件が設定された。
試合前、伊藤選手は榊原代表に「ノーコンテストってことは、イコール僕、大みそか大会確定じゃないですか」と声をかけていた。
すると榊原代表から返ってきたのは、シンプルな注文だった。
「KOで勝て!! 」
その言葉に、伊藤選手は結果で応えた。
序盤はガジャマトフ選手にテイクダウンを許し、バックを取られる場面もあった。しかし、チョークをしのいで脱出すると、今度は伊藤選手がアナコンダチョークで反撃。
さらにスタンドへ移行すると、パンチとヒザを畳みかけた。
最後は無酸素状態での全力を注ぎ込む怒涛のパンチの連打でレフェリーストップ。
一気に試合を終わらせた。
伊藤選手は試合後、
「締め技で(ガジャマトフ選手が)落ちてたんですよ。落ちてて、(腕を)離したタイミングで復活してきた。立ち上がってスタンドでもフィニッシュしたので、2回フィニッシュした」と試合を振り返った。
一度はサブミッションで勝負を決めかけ、そこから立ち上がって打撃で仕留める。
伊藤選手の勝負強さが凝縮されたフィニッシュだった。
▪️“体重超過”を乗り越えた勝利が、次の物語を生む
今回の勝利には、単なる1勝以上の意味がある。
相手の体重超過によって、試合前から難しい状況となった一戦だった。それだけに、伊藤選手が勝利を逃せば、大みそかに向けた流れを作ることは容易ではなかった。
しかし、伊藤選手はKOという最も分かりやすい形で決着させた。
榊原代表も「ファンのモヤモヤしたところもあった試合。これで伊藤選手が負けてれば、次に生まれるものが無かった試合を全部貯金を引き出して持って帰りましたから。最高です」と絶賛した。
“勝つだけではなく、KOで勝つ”。
榊原代表から託された期待に応えたことで、伊藤選手は大みそかに向けて大きなアピール材料を手にしたことになる。
そして、ここから最大の焦点となるのが 神龍誠選手とのタイトル戦だ。
▪️神龍誠選手とのタイトル戦は実現するのか
伊藤選手は試合後の勝利者マイクで、
現RIZINフライ級王者・神龍誠選手との対戦をアピールした。
ここが今回の勝利を考えるうえで、最も重要なポイントだ。
伊藤選手が目指しているのは、単なる大みそか大会への出場ではない。
その先にある、フライ級の頂点だ。
神龍選手が保持するベルトに挑戦するためには、これまでの実績に加えて、「この選手をタイトル戦に送り込みたい」とRIZIN側に思わせるだけのインパクトも求められる。
その意味で、ガジャマトフ選手を相手にした今回のTKO勝利は大きい。
相手の体重超過という想定外の事態を乗り越えたうえで、最後は自らの力で試合を終わらせた。
さらに榊原代表から“三桁万円”の特別ボーナスまで引き出した。
主催者側から見ても、今回のパフォーマンスが強烈なインパクトを残したことは間違いない。
大みそかの舞台が近づくなか、伊藤裕樹選手が神龍誠選手との
タイトル戦を実現させることができるか。
【文:高須基一朗】

