ONE FF159メインカードでクリークリャが王座奪還 アグデブとの雪辱戦を制し、ヘビー級キックボクシング世界王者に返り咲く

2026.6.20

【©️ONE Championship 】

6月19日 タイ・バンコクのルンピニースタジアムで開催された『ONE Friday Fights 159』。メインイベントとして行われたヘビー級キックボクシング世界タイトルマッチで、前王者のローマン・クリークリャ選手(ウクライナ)が王者サメット・アグデブ選手(トルコ)を判定3-0で下し、王座返り咲きを果たした。

 

昨年11月、アグデブ選手はONE初参戦ながらクリークリャ選手の持つ王座に挑戦し、判定勝利で戴冠。当時プロ18戦無敗を誇った新鋭は、長年ヘビー級戦線の頂点に君臨してきたクリークリャ選手を破り、大きな話題を呼んだ。

そして迎えた今回のダイレクトリマッチ。

敗れた王者と新王者による再戦は、ヘビー級の勢力図を占う注目カードとなった。


 

▪️序盤はアグデブ、中盤以降はクリークリャが主導権

試合は1ラウンドからアグデブ選手が積極的に前へ出る。得意のカーフキックを左右の足へ打ち込み、クリークリャ選手の機動力を削りにかかった。飛び込んでの左フックもヒットさせ、王者らしい攻勢を見せる。

しかし2ラウンド以降、クリークリャ選手が徐々に流れを引き寄せる。

長いリーチを生かしたジャブとボディストレート、さらにハイキックやヒザ蹴りを効果的に織り交ぜ、アグデブ選手の前進を封じる。3ラウンドには鋭いジャブやハイキックで顔面を捉える場面も目立ち、挑戦者ペースの展開となった。

4ラウンドに入ると、その差はさらに鮮明になる。

クリークリャ選手は前進してくるアグデブ選手の動きを見切り、ジャブで距離を支配。終盤には右ハイキックから連続攻撃をまとめるなど、王者を追い込んでいった。

一方でアグデブ選手も執拗なカーフキックを継続。クリークリャ選手の左足が大きく腫れ上がる場面もあり、最後まで勝負を諦めることはなかった。

最終5ラウンドは互いに意地をぶつけ合う激しい打撃戦となった。

アグデブ選手は左右のフックで一発逆転を狙い、クリークリャ選手も応戦。ヘビー級らしい迫力ある攻防が続いたが、最後までダウンは生まれなかった。

判定は3者ともクリークリャ選手を支持。前回敗戦の雪辱を果たし、

失ったベルトを取り戻した。

今回の勝利で改めて示されたのは、クリークリャ選手の修正能力の高さだろう。

前戦ではアグデブ選手の圧力と攻撃に苦しめられたが、今回は距離の管理と打撃の組み立てを見直し、試合を優位に進めた。長年トップ戦線で活躍してきた経験が、再び世界王座という結果につながったと言える。

敗れたアグデブ選手はプロキャリア初黒星となったものの、その実力は疑いようがない。

23歳という若さを考えれば、今後もヘビー級戦線の中心的存在であり続けるだろう。


【文:高須基一朗】