K-1 REVENGE 2026  “距離の支配者”璃明武が示した進化 KNOCK OUT王者・乙津陸選手を翻弄した「技術戦」の本質

2026.5.31

K-1のリングで、改めてその“完成度”が際立った。

5月31日に東京・後楽園ホールで開催された『K-1 REVENGE 2026』。スーパー・バンタム級戦線の実力者同士による注目カードは、璃明武選手(K-1ジム総本部チームペガサス)が、乙津陸選手(KNOCK OUTクロスポイント大泉)を相手に3-0の判定勝利。スコア以上に内容差のある、完封劇だった。


 

近年の璃明武選手は、爆発力だけでなく“組み立てる力”を身につけつつある。昨年のK-1 WORLD MAX世界最強決定トーナメントでは、アンジェロス・マルティノスから鮮烈なKO勝利を収める一方、金子晃大選手や大久保琉唯選手とのトップ戦線での激闘を経験。その敗戦の積み重ねが、この日のリングでは確かな技術へと変換されていた。

対する乙津選手も、KNOCK OUT王者として知られる技巧派ファイターだ。骨折による長期離脱、復帰後のKO負けを経てなお、再起戦で石川直樹選手を撃破。さらに星拓海選手との王者対決では激闘を演じるなど、打たれ強さと勝負度胸を兼ね備えた存在として注目を集めてきた。

だが、この日の主導権は開始直後から璃明武選手が握った。

初回、乙津選手が右カーフを軸にリズムを作ろうとする中、璃明武選手はジャブ、右ストレート、左ミドルをテンポよく織り交ぜる。単発では終わらない。パンチからヒザ、蹴りへと連動する“長い攻撃”によって、乙津選手に反撃の間合いを与えなかった。

特筆すべきは、璃明武選手の距離感だ。

頭を振りながら前進する乙津選手に対し、璃明武選手は下がりながらもジャブを差し込み、侵入を許さない。単なるアウトボクシングではない。相手の射程に入る直前を管理し続けることで、乙津選手の左フックや飛び込みを空転させた。

第2ラウンドに入っても、その構図は変わらない。

後ろ蹴り、左ハイ、ボディ攻撃、右ヒザ——。璃明武選手は一つの武器に依存せず、多彩な攻撃を散らしながら乙津選手の思考を分断していく。乙津選手も左フックを狙い続けたが、そこへ到達するまでにジャブとミドルで止められる場面が続いた。

そして最終ラウンドでは、璃明武選手の“試合支配”がより鮮明になる。

左インローを執拗に打ち込みながら、要所でジャブ。乙津選手が飛びヒザで流れを変えようとしても、距離は最後まで縮まらない。浅くながら左ハイを当てると、即座にジャブへ繋げ、主導権を手放さないまま試合終了のゴングを迎えた。

3者ともに璃明武選手を支持。30-27が一人、30-28が二人という採点は、この試合の内容を的確に表していた。

K-1とKNOCK OUT——異なる舞台で実績を積んできた実力者対決は、結果として璃明武選手の“技術の成熟”を印象づける一戦となった。