MLB開幕戦ーカブス監督の采配は本当に間違いだったのか?
カブス監督の采配は本当に間違いだったのか?
【©️Chicago Cubs/official】
シカゴ・カブスの最新試合における監督の采配をめぐり、
ファンやメディアの間で激しい議論が巻き起こっている。
特に、今永昇太投手の交代に対する疑問が多く寄せられたが、
果たして本当に誤った判断だったのだろうか?
メジャーリーグ開幕戦となった3月18日の試合で、カブスの今永昇太はドジャースを相手に4回無安打無失点の快投を披露した。しかし、69球を投げた時点で降板し、その後リリーフ陣が打ち込まれて逆転負けを喫した。この采配に対し、日本のファンを中心に「なぜ交代させたのか?」と疑問視する声が相次いだ。しかし、カウンセル監督の決断は、結果だけを見て批判すべきものではなく、MLBの長期的な視点に基づいたものだった。
▪️メジャー式の投手管理と今永の交代
カウンセル監督は試合後、「70球をメドにしていた」と説明した。確かに、ドジャースの山本由伸も5回72球で降板しており、これはメジャーリーグの標準的な先発投手の管理方法と一致している。
MLBでは、中4日や中5日でローテーションを回すため、シーズン序盤の投手の酷使を避ける傾向にある。特に今季は東京での開幕戦という特別な状況であり、時差や環境の違いを考慮すると、無理をさせない方針は妥当とも言える。
▪️交代は本当に裏目だったのか?
交代後の5回にリリーフ投手のベン・ブラウンが崩れたことで、「交代が裏目に出た」との批判がある。しかし、これは結果論であり、仮に今永を続投させていたとしても、5回に球数が80球を超え、疲労が影響する可能性はあった。
今永はこの試合で四球を4つ与えており、制球にやや苦しむ場面も見られた。4回終了時点での69球という球数は決して少なくなく、特に四球が増えることで球数が嵩む傾向にあったことを考えれば、監督の交代理由には十分な説得力がある。
▪️長期的な視点での判断
MLBのシーズンは162試合と長く、短期的な勝敗よりも選手のコンディション管理が重要視される。今永の降板後、次の試合までに十分な休息を取る時間があったとはいえ、今後のシーズンを考えれば、無理をさせず慎重に運用するのは理にかなった判断だった。
日本のファンからは「せめて5回まで投げさせるべきだった」との意見もあるが、メジャーの投手起用の哲学に照らし合わせると、監督の采配はむしろ合理的だったと言える。
野球では、どの選択肢を選んでも100%成功する保証はない。
結果として逆転負けを喫したが、それが必ずしも采配ミスを意味するわけではない。むしろ、カウンセル監督はデータと戦略に基づき、チームの長期的な成功を見据えた決断を下したのだ。
カブスの今後の戦いが続く中で、今回の采配が本当に正しかったのかどうかは、
シーズンを通じて評価されるべきだろう。