ニックス、堅守と層の厚さでスパーズを圧倒 ブリッジズが語った「シュート以外で勝つチーム」の現在地

2026.3.2

【©️New York Knicks 】

ニューヨーク・ニックスが本拠地マディソン・スクエア・ガーデンでサンアントニオ・スパーズを迎え撃った一戦は、ディフェンスと選手層の差が際立つ内容となった。序盤こそ勢いに乗るスパーズが主導権を握ったものの、試合の流れを変えたのはニックスのセカンドユニットだった。終わってみれば114―89。今季のスパーズにとって最少得点となる完勝で、ニックスは“守って勝つ”現在のスタイルを改めて示した。


 

試合はスパーズの連勝中という勢いを反映する形でスタートしたが、第1クォーター途中からベンチメンバーが投入されると流れが一変する。ランドリー・シャメット、ミッチェル・ロビンソン、ホセ・アルバラードらがエナジーをもたらし、守備からリズムを作ったニックスは反撃に転じた。

 

圧巻だったのは第1クォーター終盤から第2クォーター序盤にかけての時間帯だ。
ジェイレン・ブランソンの連続得点を軸に一気に19―0のランを決め、試合の主導権を完全に掌握。その後も守備の集中力を切らさず、ほとんどの時間帯で2桁リードを維持したまま試合を終わらせた。

この日のニックスは決してシュートが好調だったわけではない。

フィールドゴール成功率44%、3ポイント成功率35%と数字は平凡だったが、ディフェンスとリバウンドで圧倒した。スパーズに25アシストを許しながらも22ターンオーバーを誘発し、リバウンドでも54―41と上回るなど、試合の基盤を完全に支配した。

 

最大の焦点となったのは、リーグ屈指のサイズを誇るビクター・ウェンバニャマへの対応だった。
ニックスはカール=アンソニー・タウンズとOG・アヌノビーを中心にマークを分担し、ポジションを変えながら多角的にプレッシャーをかけ続けた。単独で止めるのではなく、チーム全体でリズムを崩す守りが機能した形だ。

この日、ゲームハイタイの25得点を挙げたミケル・ブリッジズは、勝利の要因をシュート以外の部分に求めた。

「シュートの状態は正直かなり悪かった。チームとしてもここ最近はずっと苦しんでいる。でも、シュートが入らないなら別の方法で勝てばいい。守備で流れを作ることもできるし、味方のチャンスを作ることもできる」

実際、オールスターブレイク後のニックスは波に乗り切れず、勝敗も安定していなかった。それでもこの日は、得点力に頼らずとも勝てるチームであることを証明したと言える。

ジョシュ・ハートもまた、ディフェンスが試合を決めたと強調する。

「今日はディフェンスの強度が本当に高かった。相手に合わせるんじゃなくて、こちらから仕掛けて主導権を握れた。チームとして意思疎通ができていたし、自分たちのスタイルを押し付けることができた」

派手な得点ではなく、守備とリバウンド、そして層の厚さで勝ち切る――。
シーズン終盤に向け、ニックスはプレーオフ仕様とも言える戦い方を確立しつつある。シュートが入らなくても勝てるチームは、ポストシーズンで最も危険な存在になる。今回の完勝は、その可能性を強く印象づける内容だった。