斎藤工さん 芸能界の原点は“最前列を支えた名もなき熱量” 20代、アイドルオタクのオジさん達から学んだエンタメの本質
【©️Netflix】
俳優の斎藤工さんが、自身の芸能活動の原点を驚くほど率直な言葉で明かした。
9日、都内で行われたNetflixオリジナル映画『This is アイドル』試写会に、望月春希さん、松本優作監督とともに登壇した斎藤は、「僕は20代、アルバイトに明け暮れていた」と切り出し、当時の自分を飾ることなく語り始めた。
華やかな俳優業のイメージとは裏腹に、斎藤工さんが明かしたのは、
下積み時代のコンサート会場での“整備スタッフ”としての日々。
とりわけ印象深いのが、ハロー!プロジェクトの現場だったという。
「体が大きいので、センターの最前列に立って、ロープを持ち続ける役割でした。ステージは後ろにあるから、振り返ることはない。ただ、目の前には観客の熱がある」
実演を交えながら語る姿は、当時の現場を生々しくよみがえらせた。
コンサートが進むにつれ、会場の熱量は加速度的に高まっていく。汗が飛び、歓声が渦を巻く。その只中で斎藤が感じたのは、単なる「仕事」ではなかった。
「最初は正直、『何だこれは?』と思っていた。でも、だんだん分かってきたんです。こんなにも人を夢中にさせる職業があるんだ、と」
その“気づき”をもたらした存在として、斎藤工さんが挙げたのが、
最前列で体を震わせながら声援を送る 名もなき“オジさん”たちだった。
「エンターテインメントを教えてくれたのは、僕の目の前にいた観客のオジさんかもしれない。体温とか、汗とか、この場所に生きがいを感じている生命力。その感覚は、今もずっと自分の中に生きています」
この発言に、会場は静かな共感に包まれた。
スターであることを誇示するのではなく、自らの礎となった“無名の熱”に敬意を払う姿勢。そこには、斎藤工さんという表現者の本質がにじんでいた。
同イベントには、劇中の主人公と同様に
「アイドルになる夢」を追う現役アイドル、=LOVE、≠ME、≒JOYのメンバー約150人が特別招待され、フォトセッションには、題材となった
はるな愛さんをはじめ、各グループのメンバーも顔をそろえた。
本作は、はるな愛さん著書『素晴らしき、この人生』などを参考に、
当時タブー視されていた性別適合手術の現実と、夢を諦めきれない少年の再生を描く。
斎藤工さんは、葛藤する主人公を支える医師・和田耕治を演じている。
「人が何に救われ、何に熱狂するのか」。
20代の現場で、その答えを真正面から受け取ってきた
斎藤工さんだからこそ、今もなお、言葉を包み隠さず、現実を直視し続ける。
―Netflix映画『This is アイドル』は、10日より世界独占配信される。



