ソフトバンク近藤健介選手の“本音”が会場を沸かせた理由 スターを立てる言葉に集まる共感と支持
福岡ソフトバンクの主力メンバーの1人である
近藤健介選手が放った一言が、会場の空気を一変させた。
「大谷の後は打ちたくないですね」。
福岡市内で行われたトークショーでのこの発言は、単なる冗談でも弱音でもない。
むしろ、近藤選手という選手がなぜ高い支持をファンから集め続けているのかを象徴する“本音”だった。
3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を前に、
侍ジャパンの打順をテーマに語られたトークショーでの一コマ。
近藤選手は「何番を打ちたいか」という問いに対し、飾らない言葉で答えた。
「1番は面白い」「塁に出て、次につなぐ役割が明確」。
自己アピールよりもチームの勝ち筋を優先する発想は、
まさに職人型のトップバッターらしい視点だ。
前回大会で近藤選手が担ったのは、3番・大谷翔平へと流れを渡す“要”の役割だった。派手な一発よりも、四球を選び、相手投手を消耗させ、後続に好機を残す。
その積み重ねが、日本代表の打線を機能させてきた。
近藤選手自身もその立場を自覚しており、「翔平の後が一番大事」と語る言葉には、責任の重さと同時に、スターを最大限に生かそうとする献身性が表れている。
だからこそ、「大谷の後は打ちたくない」という発言は、決して逃げではない。
「誠也や村上、岡本のような打者に任せたい」
その言葉は、役割分担を理解し、適材適所を尊重するリーダーの視点でもあった。
今大会についても「前回より投手のレベルが違う」と率直に語り、不安と期待を隠さない。完璧なコメントではなく、正直な言葉を選ぶ姿勢が、近藤健介という選手の魅力をより際立たせている。
スターがスターらしく輝くために、黒子に徹する覚悟を持つ。
その姿勢を包み隠さず言葉にするからこそ、近藤選手の発言には説得力があり、ファンの共感を呼ぶ。
トークショーで沸き起こった笑いと拍手は、成績だけでは測れない“人気の質”を雄弁に物語っていた。
【文:高須基一朗】

