ウェストブルック、キャリア最終章へ—キングスと契約合意 NBA18年目の挑戦で“有終の美”を誓う
長きにわたりNBAを代表する闘将としてコートに立ち続けてきたラッセル・ウェストブルック(37)が、ついに新たな決断を下した。現地時間15日、米『ESPN』のシャムズ・シャラニア記者によると、ウェストブルックはサクラメント・キングスと1年契約で合意。NBA18シーズン目となる今季、キャリアの“最終章”に挑む。
■ 苦悩のオフを経てたどり着いた「終の棲家」
昨季デンバー・ナゲッツで75試合に出場したウェストブルックは、平均13.3得点、6.1アシスト、4.9リバウンドをマーク。2ポイント成功率はキャリア最高の52%を記録するなど、ベテランらしからぬ活躍を見せた。
しかしオフにはプレーヤーオプションを破棄してFA(フリーエージェント)に。
去就は不透明となり、一時は中国リーグからの超高額オファーも浮上したが、最終的に彼が選んだのは、成長を続けるサクラメント・キングスだった。
1年360万ドル(約5億4千万円)のベテラン最低保証契約。
条件ではなく、「どこで、どう終わりたいか」を重視した決断だったとみられる。
■ サボニスやデローザンら旧友とともに
キングスには、ドマンタス・サボニス、デマー・デローザン、ザック・ラビーンといったスター選手が集う。
ウェストブルックは彼らと親交があり、さらに新加入のデニス・シュルーダーとはオクラホマ時代に共闘した仲。
絆のある仲間たちとともに“最後の舞台”を戦う選択は、37歳のベテランにとって自然な流れだったのかもしれない。
■ 「全力の象徴」としてチームに魂を残す
キングスのスコット・ペリーGMは、「チームにハイモーター(高いエネルギー)とハイエフォート(全力の姿勢)の文化を浸透させたい」と語る。
ウェストブルックはその言葉を体現する存在だ。
どのチームでも、どの時間帯でも、彼は常に全力で走り、吠え、仲間を鼓舞してきた。
その姿勢こそ、若いキングスにとって最も必要な“遺産”になる。
■ 渡り歩いた17年、そして迎える“静かな戦い”
2008年にオクラホマシティ・サンダーからNBA入りして以降、ロケッツ、ウィザーズ、レイカーズ、クリッパーズ、ナゲッツと渡り歩いたウェストブルック。
9度のオールスター出場、2017年にはMVP獲得という輝かしい実績を残してきたが、
今季はその延長線ではなく、“締めくくり”の時間として臨む覚悟だ。