久保建英選手 7試合ぶりの先発で1ゴール1アシスト ソシエダ大量 5得点で快勝が示した攻撃の可能性

2026.10.19

【©️Real Sociedad de 】

久保建英選手が、結果で自身の存在価値を証明した。レアル・ソシエダは現地10月18日、ラ・リーガ第9節でマラガとアウェーで対戦し、5-2で快勝。公式戦6試合連続でベンチスタートだった久保選手は、7試合ぶりに先発出場すると、開始3分に今季初ゴールを記録。さらに後半には今季初アシストもマークし、チームの勝利に大きく貢献した。

注目すべきなのは、久保選手がゴールとアシストを記録したという数字だけではない。攻撃の局面で相手を引きつけ、味方のためのスペースを生み出し、自らもフィニッシュに絡む。その持ち味が発揮された試合だった。

これだけのパフォーマンスを見せたからこそ、考えたいのが久保選手の起用法だ。チームの攻撃力を引き上げるうえで、なぜ久保選手をもっと積極的に起用すべきなのか。今回の一戦は、その問いに対する重要な材料を示した。


 

▪️開始3分の先制弾 武器は仕掛ける勇気と左足にある

久保選手は右サイドハーフで先発すると、試合開始早々に持ち味を発揮した。

開始3分、右サイドからボールを運び、中央へ切り込むと、ペナルティーエリア手前から左足を振り抜く。シュートは相手MFパブロ・マルティネス選手に当たってコースが変わり、ゴールへ吸い込まれた。

相手にとって厄介なのは、久保選手が単純にサイドを突破するだけの選手ではないことだ。縦への突破を警戒すれば中央へのカットインがあり、シュートを防ごうとすればパスを選択する。守備側は一つの対応に絞りにくい。

16分にも右サイドから持ち込んで右足でシュートを放つなど、久保選手は積極的にゴールを狙った。

攻撃の選択肢を複数持ち、局面を個人の判断で打開できる選手は貴重だ。ソシエダが攻撃の主導権を握るうえでも、久保選手がボールに触れる機会を増やすことには大きな意味がある。

 

▪️畳み掛けて2点目のアシストに表れた もう一つの価値

久保選手の貢献は、先制ゴールだけでは終わらなかった。

後半59分、ペナルティーエリア内でボールを持つと、相手守備陣を引きつけながらラストパスを供給。これを受けたオジャルサバル選手が鋭いシュートを決め、ソシエダは3-1とリードを広げた。

この場面で評価したいのは、久保選手が自らシュートを狙うだけでなく、味方の得点機会を作る判断を選んだことだ。

相手守備陣が久保選手の突破やシュートを警戒すれば、周囲の選手が使えるスペースも生まれる。そこで味方を生かすパスを選択できるからこそ、久保選手は個人技に優れたアタッカーという枠を超え、チーム全体の攻撃を活性化させる存在になれる。

久保選手の価値は、本人が得点することだけではない。相手の守備を動かし、チームメートの得点機会まで増やせることにある。

こうした選手を攻撃の中心に据え、ボールを預ける回数や仕掛ける機会を増やすことは、チームの得点力を高めるうえで有効な選択肢となる。

 

▪️6試合連続のベンチスタートを経て改めて問われる起用法

今回の試合で気になるのは、久保選手がここまで公式戦6試合連続でベンチスタートだったことだ。

もちろん、先発起用にはコンディションや対戦相手との相性、チーム全体のバランスなど、さまざまな判断材料がある。今回の1試合だけで、それまでの采配が間違っていたと断定することはできない。

ただし、久保選手が先発復帰した試合で開始早々にゴールを決め、さらにアシストまで記録した事実は重い。

攻撃的な選手は、試合に出場するだけでなく、ボールを受け、相手に仕掛け、プレーを繰り返すことでリズムをつかんでいく。先発出場によって試合の序盤から攻撃に関与できれば、相手守備陣に継続的な圧力をかけることも可能になる。

久保選手のように、個人で局面を変えられるアタッカーは、相手が守備陣形を整える前の時間帯から起用する価値がある。

途中出場で流れを変える役割も重要だが、それだけに限定する必要はない。チームの攻撃を組み立てる段階から久保選手を関与させることで、ソシエダはより多くの攻撃パターンを持てるはずだ。

 

▪️71分で交代 結果を残した久保をどう活かすか

久保選手は71分に交代。その後、ソシエダは73分にオスカールソン選手のシュートがクロスバーを直撃し、その流れからゲデス選手が追加点を挙げた。

最終的に5-2で勝利したチームにとって、交代後にも得点が生まれたことはポジティブな材料だ。一方で、久保選手がピッチに立っていた時間帯に、すでにゴールとアシストという明確な結果を残していたことも忘れてはならない。

大切なのは、久保選手を長く起用すれば必ず勝てると考えることではない。試合展開や疲労度を見極めながら、その攻撃力をチームの勝利にどう結びつけるかという視点だ。

今回のように久保選手が相手守備陣を引きつけ、周囲の選手がその恩恵を受けられるなら、攻撃面での連係をさらに深める余地もある。

個人の能力を生かすことと、チーム全体のバランスを保つこと。その両立を目指すうえでも、久保選手の起用法は今後のソシエダにとって重要なテーマとなりそうだ。

 

▪️今季初ゴールで続いた不敗記録 久保選手の復調に期待

久保選手はソシエダ加入後、ゴールを決めた試合で負けておらず、今回もその記録を継続した。報道によると、ゴールを記録した試合の成績は22勝3分けとなっている。

もちろん、この記録だけで久保選手の起用法や勝利への貢献度を判断することはできない。それでも、得点という結果を残した試合でチームが好成績を維持していることは、興味深いデータだ。

今回の1ゴール1アシストは、久保選手にとって今季の攻撃面での存在感を示す大きな一歩となった。ここまで得点がなかったことを踏まえても、ゴールという結果が生まれた意味は小さくない。

重要なのは、この試合だけで終わらせないことだ。継続的に先発起用され、攻撃の中心としてプレーする機会が増えれば、ゴールやアシストだけでなく、チームの攻撃全体を動かす働きも期待できる。