顔が溶ける! 心まで怪物に変わるDC映画最新作『クレイフェイス』特別映像公開 スター俳優の転落を描く本格ホラー10月30日公開へ
DCスタジオが放つ新作映画『クレイフェイス』の特別映像が公開された。映し出されるのは、俳優として成功をつかみかけた男が、ある事件によって人生と美貌を失い、やがて自らの肉体と精神を制御できなくなっていく姿だ。
「バットマン」シリーズで知られる異色のヴィランを主人公に据えながら、スーパーヒーロー映画の定型から離れ、本格的なホラー・スリラーとして描く本作。怪物が誕生するまでの悲劇を通じて、名声への執着や自己喪失、人間の内面に潜む狂気に迫る。日本では10月30日に全国公開される。
▪️美貌とキャリアを奪われた俳優 禁断の治療が人生を狂わせる
主人公は、ハリウッドでスターへの道を歩み始めた俳優マット・ヘーゲン。トム・リス・ハリスさんが演じる。
ある事件によって顔に深刻な損傷を負い、仕事も名声も失ったマットは、人生を取り戻そうと禁断の治療に手を伸ばす。治療によって外見を回復させるはずが、彼の肉体には予想もしなかった変化が生じ、精神までもが徐々にむしばまれていく。
その果てに誕生するのが、粘土のように自在に姿を変える怪物クレイフェイスだ。
本作の恐怖は、単に顔が溶けたり、身体が変形したりする視覚的な衝撃だけではない。失ったものを取り戻したいという切実な願いが、いつしか破壊的な執着へと変わっていく。かつての自分に戻ろうとするほど、自分自身から遠ざかっていく主人公の姿が、物語の中心に据えられている。
▪️ジェームズ・ガン氏が明言「正真正銘のホラー作品」
今回公開された特別映像では、出演者や制作陣が作品の狙いを語っている。
メガホンを取ったのは、『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』などで知られるジェームズ・ワトキンス監督。主演のハリスさんは、積み上げてきたものをすべて失う男の悲劇を描いた作品だと説明する。
さらに、DCスタジオの共同CEOでプロデューサーを務めるジェームズ・ガン氏は、本作を「正真正銘のホラー作品」と位置づける。
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』の監督としても知られるマット・リーヴス氏もプロデューサーとして参加。主人公の闇を深く掘り下げながら、観客が彼の境遇に共感できる余地を残し、復讐の物語としても成立させることを重視している。
特別映像では、ハリスさんの演技に加え、陰鬱で重厚なゴッサム・シティのセットや撮影現場の様子も紹介された。舞台となる街の不穏な空気そのものが、主人公の精神状態と呼応するような演出にも注目したい。
▪️「バットマン」のヴィラン(悪役)をホラー映画の主人公にするのか
クレイフェイスは、「バットマン」の世界に登場するヴィランの一人として知られるキャラクターだ。変幻自在に姿を変える能力は、コミックやアニメーションなどでも特徴的に描かれてきた。
しかし、本作が焦点を当てるのは、怪物としての能力だけではない。スター俳優だったマットが、なぜすべてを失い、復讐に取りつかれていくのか。その過程を人間ドラマとして描き、怪物誕生の背景にある喪失と絶望を掘り下げる。
ガン氏は、ファンに親しまれてきたキャラクターを、従来とは異なる切り口で描けることに意義を見いだしている。ピーター・サフラン氏も、スーパーヒーローという枠組みの中には多様なジャンルの物語が成立すると説明。本作では、その可能性をホラーという形で追求する。
つまり、『クレイフェイス』は、ヒーローとヴィランの戦いを描くだけの作品ではない。怪物が生まれるまでの心理をたどり、観客に「人間と怪物を分けるものは何か」という問いを突きつける作品でもある。
▪️日本公開は10月30日 R15+指定の本格心理スリラー
『クレイフェイス』は、日本ではR15+指定で10月30日に全国公開される。監督はジェームズ・ワトキンス、脚本にはマイク・フラナガン氏とホセイン・アミニ氏が参加。主演のハリスさんに加え、ナオミ・アッキーさん、デヴィッド・デンシックさん、マックス・ミンゲラさん、エディ・マーサンさんらが出演する。
顔が溶け、肉体が変形していく映像は、観客の生理的な恐怖を刺激する。一方で、主人公が失ったものへの執着や、復讐へと向かう心理をどこまで描き切るのかも、本作を読み解く重要なポイントになる。
DCスタジオが提示するのは、怪物の誕生を派手なアクションだけで描く物語ではない。成功を目前にした男が、外見だけでなく自分自身の内面までも失っていく悲劇だ。

