山﨑一央選手 アウェーの洗礼を乗り越えた価値ある白星 ローブロー被弾も左ハイで流れを引き寄せONE通算3勝目
【©️ONE Championship】
タイ・バンコクのルンピニースタジアムで開催された「ONE Friday Fights 158」で、山﨑一央選手(TEAM TEPPEN)がチェン・ジャーイー選手(中国)を判定2-0で下し、ONE Championshipでの存在感を改めて示した。
勝敗以上に評価されるべきは、その内容だろう。
ONEのフライ級戦線は、世界各国から集まる有望株が激しくしのぎを削る競争市場となっている。その中で山﨑選手は、試合中にローブローによるアクシデントに見舞われながらも冷静さを失わず、最終ラウンドには鮮烈な左ハイキックでダウンを奪取。
難敵として知られるジャーイー選手を攻略してみせた。
極真空手をバックボーンに持つ山﨑選手は、2023年にプロデビュー。
2024年には後にONEで無敗街道を突き進む陽勇選手に敗れたものの、
その後も国内外で経験を積み、着実な成長曲線を描いてきた。
対するジャーイー選手は180センチの長身を誇り、ONEでは成尾拓輝選手をKOで下すなど高い評価を受けるファイターだ。カウンター能力と距離支配に優れ、山﨑選手にとっても試金石となる一戦だった。
試合は序盤からジャーイー選手がプレッシャーをかける展開。
スイッチを繰り返しながら左右のミドルキックとパンチを織り交ぜ、主導権を握ろうとする。一方の山﨑選手も左ミドルや前蹴りで応戦し、距離を測りながら試合を組み立てた。
1ラウンド終盤にはアクシデントが発生する。ジャーイー選手の後ろ蹴りが金的に入り、山﨑選手は試合中断を余儀なくされた。アウェーの空気が漂う会場の中で精神的にも難しい局面だったが、山﨑選手は冷静さを保ったまま再開後の攻防に臨んだ。
流れが変わったのは2ラウンドだった。
山﨑選手は右カーフキックで相手の足元を削りながら、左ボディストレートと左三日月蹴りを効果的に織り交ぜる。脚、ボディ、頭部へと攻撃を散らしながらジャーイー選手のリズムを崩し、徐々に主導権を引き寄せていった。
そして勝負を決定づけたのが最終3ラウンドだ。
ジャーイー選手がダメージのなさをアピールするような仕草を見せた直後、山﨑選手の左ハイキックが完璧なタイミングで炸裂。クリーンヒットした一撃でダウンを奪い、一気に試合の流れを掌握した。
その後も山﨑選手は左ボディストレート、左三日月蹴り、再びの左ハイキックと攻撃の手を緩めない。逆転を狙うジャーイー選手に決定的な反撃を許さず、最後まで冷静に試合をコントロールした。
結果は判定2-0で山﨑選手の勝利。
ONEでの戦績を3勝1敗から4勝1敗へと伸ばし、
世界舞台での評価をさらに高める結果となった。
近年のONE Friday Fightsは、単なる下部大会ではなく、本戦契約や世界的な飛躍への足掛かりとなる登竜門として機能している。勝利だけでなく、どのような内容でインパクトを残すかが選手価値を大きく左右する世界だ。
その意味で今回の山﨑選手の勝利は大きな意味を持つ。
ローブローによる不測の事態を乗り越えながら、強豪相手にダウンを奪って勝ち切った事実は、技術面だけでなく精神面の強さも証明した。



