Jリーグオールスターで異例の11人辞退…浮かび上がる“スターイベント”の限界 W杯イヤー特有の事情も影響か
Jリーグが6月13日に国立競技場で開催する「JリーグオールスターDAZNカップ」を前に、異例ともいえる大量離脱が波紋を広げている。リーグは9日、選出されていた11選手が負傷などを理由に欠場すると発表。すでに発表済みだった欠場者も含め、当初ファン投票や推薦で選ばれた顔ぶれから大幅な変更が生じる事態となった。
今回欠場が発表されたのは、J1 EASTの鈴木優磨選手(鹿島)や森重真人選手(FC東京)らを含む計11人。さらに、すでに不参加が決定していた大迫勇也選手(神戸)、宇佐美貴史選手(G大阪)ら日本代表クラスのスター選手も名を連ねており、“オールスター”の看板とのギャップに疑問の声も上がっている。
SNS上では「何のための投票だったのか」「払い戻しレベルでは」「ほとんど別チームになっている」といった反応が噴出。ファン投票によって選ばれたスター選手を実際に見られないことへの失望感が広がった。
もっとも、背景には単なる“欠場ラッシュ”では片付けられない、現代サッカー特有の事情もある。
近年のJリーグは、リーグ戦に加えルヴァン杯、天皇杯、ACL、さらには代表活動まで重なり、シーズンを通じて過密日程が常態化している。
特に今季は北中米ワールドカップを目前に控え、各クラブとも主力選手のコンディション管理にこれまで以上に神経を尖らせている。
欧州サッカー界でも近年、オールスター形式の興行イベントやプレシーズンツアーに対し、「選手の負担増加」が問題視されてきた。FIFAクラブワールドカップの拡大路線に対しても、欧州主要クラブや選手会からは休養期間の圧迫を懸念する声が強まっている。今回のJリーグオールスター大量辞退も、単なる日本独自の問題というより、“興行”と“競技維持”のバランスに揺れる世界サッカー界全体の縮図とも言える。
一方で、ファン側の不満も理解できる。
オールスター戦は、本来であれば普段敵同士として戦うスター選手たちが一堂に会する“祭典”として機能してきた。特にJリーグは近年、観客動員や放映価値の向上を目的にエンターテインメント性を強化しており、ユニクロとの大型タイアップや国立開催もその一環だ。
だからこそ、ファン投票で選ばれた選手がイベント直前で次々と不在になる現実は、オールスターと銘打っての一大イベントそのものの価値設計を問い直す材料にもなる。
リーグ側にとっては、スター性と選手保護をどう両立させるか。ワールドカップイヤー特有の緊張感の中で、“見せるサッカー”と“戦うサッカー”の距離感がポイントなのだろう。

