元3団体統一王者ジョシュアが6回KO勝ち!! ユーチューバーのジェイク・ポールの“幻想”を一蹴、4度のダウンで圧倒
【©️Jake Paul】
話題先行のビッグマッチは、終わってみれば圧倒的な実力差が際立つ結末となった。
プロボクシング元3団体統一世界ヘビー級王者のアンソニー・ジョシュアが、
ユーチューバーから転身したジェイク・ポールを6回1分31秒KO。
4度のダウンを奪う完勝で、“挑戦”に終止符を打った。
試合は19日(日本時間20日)、米マイアミで行われたヘビー級8回戦。
ジョシュアは約1年9カ月ぶりの白星で戦績を29勝(26KO)4敗とし、
ポールは12勝(7KO)2敗となった。
▪️序盤は静かな立ち上がり、会場からはブーイング
試合序盤は互いに距離を測る慎重な展開。ポールはフットワークを使って出入りし、ジョシュアも無理に踏み込まず様子を見る。パンチは少なく、期待を膨らませていた観客からは早くもブーイングが飛んだ。
4回にはクリンチのもつれから両者が倒れ込む場面もあり、試合はやや荒れ模様に。レフェリーが「ファンはこんな試合を見るために金を払っているわけではない」と異例の強い口調で注意を与えるなど、内容への不満が露わになった。
▪️5回から一変、地力の差が表面化
流れが決定的に変わったのは5回だった。
ジョシュアがそれまでの4Rの試運転の動きから一変して、本気モードへ。
ロープ際に追い込み、強烈なボディブローで最初のダウンを奪取。
続けてワンツーで2度目のダウンを追加し、試合の主導権を完全に握った。
6回には右を軸に攻勢を強め、さらに2度のダウンを奪取。4度目のダウンでレフェリーがテンカウントを数え上げ、試合は終わった。話題性や注目度では測れない、純粋な競技力の差がはっきりと示された瞬間だった。
▪️勝者は余裕のコメント、次戦線へ視線
試合後、ジョシュアは「慎重に展開を見極めていた」と冷静に振り返り、「ジェイク・ポールはよくやった」と相手を称えた。
一方で、「もしタイソン・フューリーが本気なら、ツイッターから指を離してグローブをはめ、リングに上がれ」と挑発。引退を表明している同胞フューリーへの言葉からは、なおトップ戦線に立つ意欲がにじんだ。
▪️話題性と競技性の“境界線”
ポールは当初、WBA世界ライト級王者ジャーボンテ・デービスとの対戦を予定していたが、訴訟問題で中止。代役として実現したのがジョシュア戦だった。前日計量ではジョシュア110.4キロ、ポール98.2キロと12キロ以上の体重差もあり、現役トップクラスと“挑戦者”の構図が最後まで覆ることはなかった。
この一戦が示したのは、KO決着という結果以上に、ボクシングという競技が持つ厳然たる序列。その現実を、リングは残酷なまでに映し出した。



