井上尚弥戦でダウンを奪って存在感を示した男が完全復活―カルデナスが衝撃TKO勝利で再浮上を印象づける
【©️not Fight/Ramon Cardenas】
今年5月のラスベガスで、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥選手からダウンを奪い、世界のボクシングファンに強烈なインパクトを残したラモン・カルデナス(30=米国)が、再びリングで存在感を示した。
7カ月ぶりの再起戦となった一戦で、圧巻のTKO勝利。
敗戦からの立て直しを見事に成功させた。
18日(日本時間19日)、米フロリダ州フォートローダーデールで行われた興行の
メインイベント。カルデナスはスーパーバンタム級10回戦で、
元IBO王者のエリック・ロブレス(25=メキシコ)と対戦した。
序盤から落ち着いた試合運びを見せると、
3回には右のショートフックで最初のダウンを演出。
試合の流れを完全に掌握する。
そして迎えた5回。
前に出て左を振ってきたロブレスに対し、狙いすました
右オーバーハンドのカウンターが炸裂した。
強烈な一撃を受けたロブレスはキャンバスに大の字。
レフェリーは即座に試合を止め、5回1分21秒TKO勝利が宣告された。
カルデナスにとっては昨年4月以来となるKO勝利。
この結果、戦績は27勝(15KO)2敗となり、再びランキング上位戦線への浮上を強く印象づけた。一方のロブレスは16勝(10KO)4敗となった。
カルデナスは5月4日の井上戦で2回に左フックを放ち、王者からダウンを奪取。
最終的には8回TKO負けを喫したものの、「井上尚弥を本気にさせた男」として評価を急上昇させた。その後はロサンゼルスで、前WBC・IBF世界バンタム級統一王者の中谷潤人選手のスパーリングパートナーを務めるなど、世界トップクラスの環境で研鑽を積んでいる。
中谷潤人選手は今月27日、井上も出場する
サウジアラビア・リヤド興行でスーパーバンタム級転向初戦を迎える。
世界の注目が集まるこの階級で、カルデナスもまた
“次の主役候補”として名乗りを上げた形だ。

