韓国格闘技ROAD FC-75 “キルギス最強世代”のドゥイシェフが原口伸を完封。13戦無敗でフェザー級王者に
【©️ROAD FC】
アジア格闘技界で存在感を増すキルギス勢が、また一つタイトルを奪った。
12月7日、韓国・ソウルで開催された『ROAD FC 75』フェザー級王座決定戦で、エルデュカルディ・ドゥイシェフ(キルギス)が原口伸(BRAVE)を3−0の判定で下し、無敗のまま王座に到達した。
“キルギス・フェザー級五将”と称される強豪群─RIZINを席巻するラジャブアリ・シェイドゥラエフ、PANCRASE王座戦を控えるカリベク・アルジクル・ウール、ONE無敗のアクバル・アブデュラエフ、DWCSからUFC契約を勝ち取ったムルタザリ・マゴメドフ─その中でも屈指の完成度を誇るのが、このドゥイシェフだ。
■原口伸、RTU後の3連勝から挑戦へ
原口はGRACHANライト級王者として『ROAD TO UFC』に挑戦し、フェザー級転向後は安定した成長を見せていた。ヘジン、ヒョングンらROAD FC勢を連破し、レスリングと日本拳法の融合スタイルで評価を高めたが、今回は明確に“世界の壁”と向き合う一戦となった。
■1R:原口もテイクダウンを奪うも…主導権を握れず
序盤、原口はシングルレッグでテイクダウンに成功しバックを奪うなど、持ち味の組みの精度を披露。しかしドゥイシェフは前転やグランビーロールで窮地を脱し、逆に強烈な圧力と執拗なテイクダウンでラウンド後半を掌握。
“攻撃されても全く減らない”異質のスタミナが早くも露わになった。
■2R:ドゥイシェフのレスリング地獄。原口は崩れないが攻め切れず
原口はスイープとがぶりで幾度も体勢を作るが、そこから先を許さないのがドゥイシェフの恐ろしさだ。
ハーフ→立ち→バッククリンチ→崩し→再びテイクダウン──この無限ループの前に原口は防御の連続。
ダメージこそ少ないものの、ラウンド支配は完全にキルギス側へ傾いた。
■3R:逆転を狙う原口、だが最後まで“落ちない”ドゥイシェフ
最終ラウンド、原口はスプロールからの細かい攻めで流れを切ろうと試みる。しかしドゥイシェフは疲労の色をまったく見せず、ダブルレッグ→金網押し込み→細かい打撃で着実に加点。
原口の一発逆転の糸口は最後まで見いだせなかった。
■判定:3−0。キルギスの“完封勝利”
ドゥイシェフは13戦無敗のままROAD FCフェザー級の頂点に。
組み、圧力、体力、そしてサブミッションの多彩さ─キルギスが誇るフェザー級の層の厚さを象徴する勝利となった。
一方の原口は敗れたとはいえ、決定的なダメージを受ける場面は作らせず、タフさと対応力を証明した。日本人ファイターとして“世界レベルの組みの化け物”との実戦経験は大きな財産になるはずだ。



