佐々木朗希投手、またも初白星ならず─堂々たる粘投、数字が物語るメジャー適応力
【©︎Los Angeles Dodgers】
ドジャースの佐々木朗希投手が、現地時間4月26日(日本時間27日)のパイレーツ戦に先発登板。5回2/3を投げて5安打3失点、4奪三振2四球という内容で、勝利こそ逃したものの、その投球内容は一層の進化を感じさせるものだった。
この日の佐々木は、持ち味である速球とフォークボールを軸に組み立てた。配球割合を見ると、ストレートが全体の約47%(平均球速97.8マイル)、フォークボールが35%、スライダーが15%、カーブが3%と、変化球も織り交ぜながら打者を翻弄。特に速球とフォークのコンビネーションは抜群で、空振りを奪った14球のうち、実に10球がフォークによるものだった。
フォークボールに関しては、平均回転数がわずか1,200rpm台と非常に低く、打者の手元で急激に落ちる特性が際立っている。メジャーでも屈指の「魔球」として通用することを改めて印象づけた。
加えて、ストレートも全体の約半分を占めながら被打率は.214に抑えられており、スピードだけでなく質の高さも際立つ。これまでの3登板合計では、防御率3.18、被打率.232、奪三振率8.3と、ルーキーイヤーとは思えない堂々たる数字を残している。
この日の登板でも、序盤はランナーを背負いながらも粘り強く投げ、5回には1アウト満塁のピンチを1失点にとどめるなど、勝負どころでギアを上げるメンタルの強さが光った。ドジャースは8回に一挙4得点して8-4で逆転勝ちし、チームは連敗を2でストップ。佐々木に勝利こそつかなかったが、監督は「ロウキの投球は素晴らしかった。今日もチームを試合に残してくれた」と称賛を惜しまなかった。
「勝ちたい気持ちはもちろんある。ただ、自分にできるのは、一球一球しっかり投げることだけ」。試合後、佐々木は淡々と語った。その表情には悔しさよりも、確かな自信と手応えがにじんでいた。
データが裏付ける確かな成長──。
メジャー初白星は、時間の問題と言っていいだろう。