WNBA人気急上昇の陰で揺れる労使交渉「払うべきものを払え」選手会が強く要求
【©️Indiana Fever】
WNBAがかつてない注目を集める中、リーグ運営に暗雲が垂れ込めている。女子バスケットボール界で絶大な人気を誇るケイトリン・クラーク選手らが牽引するリーグは、ここ数年で視聴者数・観客動員数・グッズ販売のいずれも飛躍的に伸長。
その経済効果は計り知れず、ファンの熱量も増す一方だ。
だが、その成長の裏でWNBAと選手会(WNBPA)の間では、
新たな労使協定(CBA)をめぐる交渉が難航している。
米国のスポーツメディアの報道によると、10月31日までの新CBA成立は極めて厳しい情勢だという。
現行契約の短期延長が有力視されるものの、選手会側は「成長を支えてきた選手に相応の対価を払うべき」と強く主張。WNBPA常任理事のテリー・カーマイケル・ジャクソン氏も、「リーグの緊急性の欠如は選手たちに不信感を与えている」と指摘。
問題の核心は収益分配だ。
NBAでは選手側がリーグ関連収入の約半分を受け取る一方、WNBAはわずか10%に留まる。昨年締結された22億ドル規模の新メディア放映権契約や、2030年までの18チーム拡張計画による新規資金調達、観客動員数の前年比48%増など、リーグ収入は過去最高水準に達している。
専門家の間からも「選手給与の大幅増は妥当」との声が上がるほどだ。
さらに選手たちは、7月のオールスターウィークエンドで「Pay Us What You Owe Us(払うべきものを払え)」とプリントされたTシャツでウォームアップするなど、強い意思表示を行った。
リーグ側との隔たりは大きく、交渉の行方次第ではロックアウトやストライキの可能性も否定できない緊迫な状況となっている。
WNBAの急速な人気拡大と経済成長は、選手の存在なくして語れない。
今、注目されるのはリーグが成長の果実をどのように分配するかだ。
ファンの期待が高まる一方、選手とリーグの間には依然として解決すべき課題が横たわっている。果たして、期日までに双方が合意点を見出せるか!?