東京ディズニーリゾート キャストにも“日傘解禁”の英断 酷暑の中で際立つホスピタリティ精神
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連日の猛暑が続く今夏、東京ディズニーリゾートで働くキャストが業務中に日傘を使用している姿がSNS上で注目を集めている。「働く側が我慢する必要はない」と、称賛の声が相次いでいるのだ。
東京ディズニーリゾートを運営する株式会社オリエンタルランドによると、キャストによる日傘の使用は2025年7月より正式に認められた対応で、炎天下の屋外施設などで勤務するスタッフを中心に導入されているという。
これまでも、来園者に向けて熱中症対策として日傘や水分補給を呼びかけてきた同パークだが、今回の措置は「キャストにとっても例外ではない」という明確な意思表示。広報部は「暑さ対策の一環」と説明し、スタッフの健康を守ると同時に、サービスの質を維持するための判断だったことを明かした。
SNSでは、「これは素晴らしい対応」「スタッフだって人間、守られるべき」といった称賛の声が数多く投稿されており、“キャストファースト”な姿勢に対する共感が広がっている。
▪️熱中症リスクが現実に 日傘は「命を守るツール」
背景には、日本の酷暑化がある。とくに午後の時間帯は体感温度が40度近くに達することも珍しくなく、屋外での長時間労働は健康被害を招くリスクが高まっている。日傘は、紫外線から肌を守るだけでなく、直射日光を遮ることで体感温度を3〜7度下げる効果があるとされており、すでに“命を守るツール”として定着しつつある。
もともと混雑の激しいテーマパークにおいては、視界の妨げになるとして日傘の使用を遠慮する来園者も少なくなかったが、近年では「譲り合いと理解」を前提とした日傘利用が徐々に広まりつつある。
ディズニーリゾートでは、パーク内への水筒やペットボトルの持ち込みを許可しているほか、冷たい飲料の自販機や給水スポットの設置も強化。
来園者にもキャストにも配慮した「多層的な暑さ対策」が着実に進んでいる。
▪️“夢の国”の運営は、現実への柔軟な対応から
働くスタッフの健康と安全を守るというシンプルながらも本質的な判断が、結果としてパーク全体のクオリティを底上げしている。非日常の世界を届ける“夢の国”は、現実の暑さにも確かな視線を向け、進化を続けている。