栗山千明さん、深夜ドラマ界の絶対的存在へ『晩酌の流儀4』異例の2クール放送で前人未踏の領域へ
【©️テレビ東京】
テレビ東京系の人気シリーズ『晩酌の流儀4』が、この夏クールに続き10月からの秋冬クールも連続放送されることが決定した。半年にわたる2クール連続の放送は、同局の看板深夜ドラマ『孤独のグルメ』や『きのう何食べた?』でさえ成し遂げなかった、きわめて異例の試みである。そしてこの中心に立つのが、今や“深夜ドラマ界の顔”とも言える女優・栗山千明さんだ。
近年、深夜帯のテレビを点ければ彼女の姿を目にしないクールはないほど。その出演本数と主演比率は群を抜いており、2021年以降だけでも実に10作うち8作が主演。
実質「2クールに1本以上の主演作」という快挙を続けている。
▪️積み重ねた信頼と存在感
栗山がなぜ、これほどまでに多くの作品に起用され続けるのか。それは、彼女の持つ「作品の空気を成立させる力」と「視聴者を自然に惹きつける説得力」に他ならない。
彼女のキャリアをひも解くと、デビューはモデルとして幼少期から始まり、97年に写真集『神話少女〜栗山千明』で一躍注目の的に。その神秘的な美しさとクールな存在感から、ホラーやサスペンス、ミステリアスな役どころで独自の地位を築いてきた。『死国』『六番目の小夜子』、そして映画『バトル・ロワイアル』では、強烈な印象を残し、ハリウッドのクエンティン・タランティーノ監督の目に留まり、『キル・ビル Vol.1』への出演へとつながったのは、もはや伝説である。
だが、それだけにとどまらなかったのが栗山千明という女優の真骨頂だ。
▪️「深夜ドラマの女王」が示す柔軟性と品格
重厚な役どころだけでなく、近年の彼女は“等身大の女性”を描く深夜ドラマで親しみやすい魅力を発揮。『晩酌の流儀』シリーズでは、仕事帰りの一杯を慈しむ主人公をナチュラルに演じ、多くの視聴者が彼女の晩酌シーンに癒されている。力まず、だが確かな感情の動きを見せる演技は、まさに“夜のドラマにふさわしい柔らかさと余白”を体現している。
さらに、ハリウッド作品の経験を自慢げに語ることもなく、20代の頃から「自分でもよくやったなと思う」と謙虚にふり返るその人柄も、業界内外からの信頼を集める理由のひとつだ。
▪️積み重ねてきた10本の出演作一覧(2021年以降)
2021年4月『ラブコメの掟〜こじらせ女子と年下男子〜』主演
2022年1月『ケイ×ヤク-あぶない相棒-』ヒロイン
2022年7月『晩酌の流儀』主演
2023年1月『リエゾン-こどものこころ診療所』出演
2023年7月『晩酌の流儀2』主演
2023年10月『けむたい姉とずるい妹』主演
2024年6月『晩酌の流儀3』主演
2025年4月『彼女がそれも愛と呼ぶなら』主演
2025年6月『晩酌の流儀4〜夏編〜』主演
2025年10月『晩酌の流儀4〜秋冬編〜』主演
これだけ多くの主演作が並ぶ女優は、深夜帯に限らず極めて希少だ。
▪️静かな熱狂の中心で
栗山千明は今、「主役になれる人」から「作品を成立させる人」へと進化している。名声や話題性ではなく、“また観たくなる、また会いたくなる”という静かな熱狂を呼ぶ稀有な女優。夜の街が静けさを増すころ、彼女の存在感が画面の中で一層際立つ