現役NBA選手パティ・ミルズがハワイ大学男子バスケ部GMに就任
大学スポーツ界全体に広がる新たなトレンドの一環
ハワイ大学の男子バスケットボール部ゼネラルマネージャー(GM)に、現役NBA選手のパティ・ミルズが就任し、大きな話題を呼んでいる。近年、大学バスケットボール界では、元NBA選手のみならず現役選手もGMやアシスタントGMに就くケースが増加しており、こうした動きは大学スポーツ界全体のトレンドとして注目されている。
ミルズは現役ガードとして16年のNBAキャリアを誇り、2014年にはサンアントニオ・スパーズでNBAチャンピオンに輝いた実績を持つ。
オーストラリア代表としてはオリンピックに5度出場したスター選手である。
6月10日(現地時間9日)、ハワイ大学はミルズのGM就任を正式に発表し、
ESPNなどの現地メディアもこれを報じている。
ハワイ大学は、日本人にもなじみ深い大学だ。
パリオリンピックに出場したジェイコブス晶(現在はファーダム大学に転校)や、
川崎ブレイブサンダース入りが発表された伊久江ロイも同大学の出身である。
今回、ミルズが就任したGMのポストは新設された役職であり、学生アスリートの指導や育成、リクルート、資金調達、地域連携など幅広い業務を担うことになる。
ミルズ本人は「プロとしての節目であると同時に、文化的・個人的にも非常に意義深い役職」と語り、太平洋地域の精神性を重視する自身の人生観と深く結びつく役割であると意気込みを示している。
さらに注目されるのは、ミルズの就任が大学スポーツ界に広がるトレンドの一例である点だ。
母校のアシスタントGMに就任したステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ/デイビッドソン大学)、オクラホマ大学のトレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)、フロリダ州立大学のGMに就任したテランス・マン(クリッパーズ)など、現役NBA選手が実務に深く関与する体制を整える大学が増加している。
この背景には、大学スポーツの“プロ化”が進行している現実がある。
選手育成や資金面、地域との連携を強化し、競争力を高めるために、NBA経験者の知識や人脈が重要な資産となっているのだ。
ハワイ大学のエラン・ガノットヘッドコーチも「プロモデルを取り入れつつ大学の価値観を守る」と語り、ミルズの国際経験や文化理解がプログラムの質向上に貢献することに期待を寄せている。
今後、ミルズは選手育成やリクルート活動に加え、基金の調達や地域イベントの主導などにも関与し、チームの競争力向上に寄与する見込みだ。
現役NBA選手のGM就任という新たな試みが、
大学バスケットボール界にどのような即効性のある成果をもたらすのか